54. エンディングin金沢駅

「んー、いい風っ」


夏。暑い夏も終わりだと、そんな言葉を伝えるような石川の風が吹きつける。流される髪をそのままに、正面から爽やかな風を浴びた。


「私たちの門出にふさわしい風ね」

「うん。気分も良いし、これなら最高の終わりが演出できそう」


隣には長い髪を背中で結んだ知宵の姿。風に靡く髪はあたし以上に映えて綺麗に見える。


「さあ日結花。行くわよ」

「いいわ。行きましょ」


二人して颯爽さっそうと歩き始める。

向かう先は今日の収録先第一号である西茶屋街。



「夢は叶うっ!」

「…突然なにかしら?大丈夫?」

「平気平気。ちょっと雰囲気的に終わりっぽいのを変えたかっただけだから」

「…そう。それより、西茶屋街よ。どう?」

「良いところじゃない。風情があって、写真撮影に最適な感じがするわ」


一本の道に和風建築なカフェっぽいお店が立ち並んでいて、道路の方もタイルがいい味を出している。


「お二人ともー、写真撮りますよー」

「ね?最適でしょ?」

「そうね…どのポーズにしようかしら」



「堅町かー…」


道は整えられていて、一直線に長々と続いている。敷き詰められたタイルと、左右にあるお店が小奇麗な商店街のような、そんな雰囲気を感じさせる。建物も綺麗で割と新しさがある。ただ…あんまり人がいなくて、流れる誰かの歌が少しだけ物悲しく聞こえた。


「…さっき見た片町とは大きく違うわね」

「…うん」


くっと胸が詰まった思いがする。この、人の少ない通りを眺めていると涙があふれそうになってきた。

初めて来た場所で思い入れもなにもないのに、こんな気持ちになるなんて。ここで生活している人は、ここで小さい頃を過ごした人は、今どんな想いでいるのかな…。


「…日結花。どうかしたの?」

「え?なんで?別になんにもないけど…」

「いえ…あなたにしては珍しくぼーっとしていたから」

「そっか…」


この子もたいがいよく見てるわね。


「…この堅町見ててさ。少し感傷的になってたの」


苦笑して言葉を伝えた。

簡単にわかりやすく。知宵なら、きっとわかってくれるから。


「感傷的?」

「うん。金沢駅の近くは結構栄えてたでしょ?」

「そうね」

「片町もそれなりに人がいて、お店もいっぱいあったわ」

「ええ」

「ここも…この堅町もお店はあるわ。でも、人があんまりいなくて、少しだけここで暮らしている人に思いを巡らせてみたらね…」

「…あぁ、そういうこと」


頷いて辺りに目を向ける。

納得してくれたあと、たぶん今のあたしと同じ寂しそうな表情を浮かべる。


「あなたの気持ちもわからなくないわ。私も色々思うところがあるもの。ただ…」

「…ただ?」

「あなたは気にしすぎ。入り込むのもほどほどにしておきなさい。どうにもできないことを考えすぎてもあなたが疲れるだけ。もう少し気楽にものを考えた方がいいわよ」


真面目な顔で、優しく諭すような言い方。


「…ありがと」

「いいのよ。…私も同じ経験があるだけだから」


知宵は…きっと地元のことなんだと思う。あれだけ自分が住んでた地域のこと好きな知宵だもん。あたしが今思ってたこと以上に、考えたことは多いはず。


「そっか、うん。…でも知宵。なんかお姉ちゃんみたいだった」

「お姉ちゃんって…悪くないわね。日結花が妹なら悪い気もしないわ」

「ふふ、知宵ってそういうとこ篠原さんにそっくりよね」

「篠原さんに?どういうこと?」

「はいはい。篠原さんそこにいるんだから本人に聞きなさい」


知宵のおかげで少しだけ気持ちが晴れた。

あんまり気にしすぎるのもよくない。ええ、その通りね。あたしが今考えなきゃいけないのは、収録と今日の観光のこと。あとは…あたし自身と両親のこと、よね。



「さて…リスナーのみんな。東茶屋街にやってきました。この長いDJCDも終わりです」

「1時間か、2時間か…これまでになく長いDJCDになりました。長時間私たちの話にお付き合いくださりありがとうございました」

「「……」」

「よし知宵。あとはほんとの最後に話すとして、今は見回るわよ」

「……」

「ん?あれ?知宵?」


横にいると思って話しかけたら返事がない。振り向いても知宵はいなくて、大人組がいるだけ。


「日結花。何をしているの?早く来なさい」

「え?……いや、それはあたしのセリフなんだけど」


いつの間にそこまで進んだのよ。あたしより先にいるとか早く歩きすぎ。


「わかったから早くしなさい。行くわよ」

「あ、うん」


きらきら瞳を輝かせて急かしてきた。どうやら東茶屋街を早く見て回りたいらしい。

…というより、早く甘いもの食べたいとかそんな感じかも。



「こっちは広いのねー。あと道が入り組んでる」

「ええ。お店も多いわ。ところで日結花。食べたいものはある?」

「…もうちょっと景観を楽しまない?」

「…日結花。時計を見なさい」

「うん?13時?」

「そう。今はもうお昼を過ぎた時間なのよ。私たちが茶屋街に来て食事をしない理由が何かある?」

「…はぁ。うん。おーけー、知宵の食べたいものでいいわ。あたしたちらしくていいんじゃないの?」

「あら、そう?それならあのお店に入るわよ」

「はーい」


「…手始めにパフェって…絶対手始めじゃないから」

「そうかしら?美味しかったでしょう?」

「そりゃ美味しかったけど…ていうかすっごく美味しかったけど…」

「ならいいじゃない。それより歩きながら次のお店を探すわよ」

「え、もう次?」


「小倉トースト…美味しかったわ」

「…美味しかったのはわかるわ。…でも、あたしもうお腹いっぱいよ?まだ二つ目なのに…」

「ふむ…甘いものは別腹と言うでしょう?」

「…全部甘いものなのに別腹っておかしい…」

「全て別腹だから大丈夫ね?」

「大丈夫なわけないから」


「食休みの抹茶だけれど…どうかしら?」

「…んー…美味しいっ。食休みになってるかどうかは微妙だけど、やっぱり抹茶って美味しい」

「ふふ、その調子なら次も大丈夫そうね」

「…今度はなにを食べるの?」

「わからないわ。お店を見てから決めるもの」

「…できれば軽いものにしてちょうだい」

「善処するわ」


「軽いものにしてって言ったのに!」

「善処すると言ったでしょう?」

「ぐ…卑怯なっ…」

「そもそもこの程度なら重くないわよ。ただのケーキじゃない」

「ケーキって…大きさを見なさい大きさを。ホールケーキの1/4カットくらいはあるでしょこれ!」

「その程度些細なことよ」

「うう…あ…篠原さーん。半分こしましょ?」


「…ほぅ…落ち着くぅ」

「日結花…ばばく」

「はいアウト。それ以上言わせないから。ていうか年齢でいったら」

「はいアウト。言っていいことと悪いことがあるのよ?わかりなさい」

「「……」」

「…はぁ、やめやめ。こんなの無駄に疲れるだけよ」

「ええ。それより次に何を食べるか決めましょう?」

「…もうそろそろ終わりでいいと思うんだけど?」

「そう、ね…私も満足したから。最後は…ふふ」

「ん?どしたの?」

「いえ、日結花なら私と同じものを食べたがると思って」

「…食べたいものねー…じゃあ一緒に言う?」

「いいわよ。どうせなら高凪さんに振り入れてもらいましょう?」

「おっけー。高凪さんお願いします」

「…はい。いきますよー、さん………」

「「生麩なまふまんじゅう」」

「ふふ、ほんとに同じだったわね」

「予想通りよ?もう少しだけゆっくりして、それから生麩まんじゅうを食べに行きましょう」



「生麩まんじゅう美味しかったなぁ…」

「今日食べたスイーツの中だと一番だったわね。饅頭としては…下手したら一番好きかもしれないわ」

「あたしも一番だったかも」


食感とかひんやり感とかもっちり感とか甘さとか。濃すぎず甘すぎずの、ちょうどいい甘さ。郁弥さんにお土産で持っていってあげたかったくらい。


「…ふぅ」


時刻は15時に近く、流れる景色は旅行の終わりを感じさせる。


「……」


少しだけ寂しい。今日で既に3日目。こんなにも知宵と一緒に歩いて話して楽しんで、笑って泣いて喧嘩は…してないか。

いろんなことがあった。たった3日間なのに、ずいぶんと忙しい時間だったと思う。


「ねえ知宵」

「なに?」


ぼーっと前を見つめて、あたしの方は見ずに返事だけしてきた。


「…」


色々と…色々と言いたいことはあるのに、いざ話そうと思ったら言葉が出なかった。


「…?どうかしたの?」

「う、ううん…」


あたしがなにも言わなかったからか、怪訝そうな表情で聞いてくる。


「……はぁ」

「ん、な、なに?」


いきなり頭に手を置かれた。そのまま軽く撫でられる。


「日結花。前にもあったわね。あなたがそうして考え込むこと」

「…そう?」

「ええ。どうせ帰るのが寂しいとかそんなところでしょう?」

「…まあ、うん」


だいたい…というかそれそのものだから…。


「あなたの感受性豊かなところは好きよ。リスナーにもそれを知ってあなたを好きになった人がたくさんいると思うわ」

「…うん…それはいいけど、髪の毛撫でるのやめて」

「嫌よ。…あなたが心豊かなことはいいのよ。でも、泣くのは新幹線に乗ってからにしなさい?」

「…べつに泣かないし」


そんな泣いたりしないわ。ちょっとだけ寂しかっただけだもん。知宵と違って泣いたりしないから。


「さ。お土産を買いに行くわよ」

「え…そっか。もう着いてたのね」

「ええ。あなたが寂しさに浸っている間にね」

「浸ってないから!浸ってないから早く降りて!お土産買いに行くんでしょっ!」

「ちょっと!降りるから押さないで!」


車から降りる前に知宵の耳元で口を開く。


「…知宵。ありがと」

「…いいわよ。お互い様でしょう?」


小声でお礼を言えば、同じく小声で軽く笑ってウインクを投げかけてくれた。

…なんか、知宵がすっごく大人っぽく見える。ウインクもかっこよかったし…。本当、助けられてばかりだわ。…あたしも、寂しがりやな知宵の助けになれるようにしなくちゃ。頑張ろう。



「あたしも頑張るからね!寂しがりやな知宵お姉ちゃん!」

「なっ!?私に変な性格を加えるのはやめなさい!」



「はいっ!エンディングです!」

「おそらく2時間近くになっている私たちのDJCD石川編。ここまで聞いてくださってありがとうございました。お疲れ様です」

「あたしたちの話だけに集中して時間割いてくださった方も、流し聞きでここまで聞いてくださった方も、みなさんありがとうございました」

「お土産も買い終え、新幹線までの時間で収録中です。DJCDにしては珍しく本当の最後にエンディングを収録しています」

「結構時間はかつかつです。エンディングも15分くらいしか時間がないのでちゃちゃっと済ませていきますよー」

「…ふぅ…ついに収録もこれが最後なのね」

「うん。どう?もう終わりだけど」

「…日結花、私たち似たようなやり取りをしなかった?」

「ん?…」


…たしかに話したような気がする。ていうか何回か同じような話をした覚えが…。


「ええと、一回はDVD用の収録してるときかな」

「ふむ…」

「まあ、今回はもっと総合的に話せばいいでしょ」

「そうね…一言で表すと、"満足した"になるのだけれど…これでいいかしら?」

「あたしも満足したし、もう終わりだし……あ」

「何かあった?」

「うん。クイズゲームの話してなかったなーって」

「あぁ、そんなものもあったわね。結局私が勝って…高凪さん。何か賞品でもありましたか?」


エンディングまで来ての微妙な話題。

普通クイズゲームの話なんて途中で終えてるわよ。山中温泉で対決終わったときにその話してくれればよかったのに。


「はい。また紙を渡されました。ええと…"次のDJCDのロケ地を選ぶくじを引く権利を進呈します"、だそうよ」

「ふーん…それってあたしの代わりに知宵が引くってこと?あたしは手間省けるからそれでもいいけど…」

「いえ、青美ちゃんに渡した権利で合わせて二回ぶんです」

「…つまり、チャンスが二回あるというわけですね?」

「はい」

「へー、よかったわね知宵。これで沖縄チャレンジできるわよ」

「…私がいつ沖縄に行きたいと言ったの?」


いつだっけ。もしかしたら言ってないかも。…別にになんでもいいか。気にしたら負けよ。


「わかんないけど、沖縄じゃないならどこにするの?エンディングらしく次の収録地決めるんでしょ?」

「そうね…」


知宵が考え込んでいる間に予想通りのくじ箱が登場。小さな箱に紙のくじがたくさん入っている。その数なんと43個。


「とりあえずあたしは引いておくわねー」

「ええ。時間もないことだしお願い」


箱に手を入れてがさがさ漁る。

今回の狙いは北海道。あたしが行きたいのは北海道なのよ!頑張れあたし!


「えい!……なになに?なるほど静岡県、と……」

「…また近場を引いたわね」

「…お茶を…美味しいお茶を思えばセーフよ」

「お茶は…いえ、なんでもないわ。私もさっさと引くわね」

「知宵はどこ行きたいの?」

「私は行ったことないところならどこでも…例えば四国や東北…これにするわ」


あたしと同じく小箱をがさがさして、一枚の紙くじを拾い上げた。


「…どこだった?」

「…」

「ん?」


無言で差し出された紙には…漢字4つのよく見知った言葉が記されていた。


「…はぁぁ、知宵ほんともう知宵…」

「その意味不明な罵倒の仕方はやめなさい。第一あなたも運がないことには変わらないでしょう?」

「それはごめんなさい。…じゃあ、気を取り直してどっちにするか決めましょ?」

「静岡と神奈川…神奈川といえば鎌倉や箱根などがあるわね。静岡の方はお茶の産地が有名なのかしら。あとは伊豆や熱海の観光地だけれど…私としてはあまり知らない土地の方がいいわ」

「そこはあたしも同じかな…」

「それなら静岡でいい?」

「いいわよー」


迷うこともなくあっさり静岡に決定。次のDJCDは静岡県よ!近いわね!


「さてみなさん。次の収録地は静岡県になりました。タイトルは未定ですけど、DJCD vol.5も聞いてくださいねー!」

「きっとそのうちのイベントで発売しますから。よろしくお願いします」


宣伝もばっちり。これであと話すことは…ん、もうないわね。


「と、いうわけで!最後に軽くまとめでも話す?」

「ふむ…さっきも言ったけれど、私は満足なのよ。実家にも帰れて、行っていなかった石川の観光地も回れて、これまで発売してきたDJCDの中でも一番に良い収録だったわ。だから…これからも私と日結花と、"あおさき"のこと。よろしくお願いします…。さ、あとは日結花。任せたわ」

「おーけー…基本的にはあたしも知宵と同じよ。あたしは石川そのものが初めてだったし、美味しいものも食べれて観光地も回れてすっごく楽しかったわ。知宵の家にも行って、知宵ママパパと話せたのもよかったわね。それに…ふふ、知宵のこといっぱい知れたのは大きな収穫よね?これからの"あおさき"は…たぶん今までより一段と楽しくて面白くて笑顔になれる、そんなラジオになると思うわ。繰り返しになるけれど、あたしたち二人と"あおさき"のこと、よろしくお願いします」


言葉を区切って知宵に目配せをする。これで終わりになる。エンディングもほんとに最後。


「このDJCDは、私、青美知宵と」

「咲澄日結花の二人が」

「「石川県からお送りしましたっ!」」

「ばいばい!次のDJCDもよろしくねー!!今度はもっと安くなるからっ!たぶんだけど!」

「みんなー!お疲れ様っ!加賀温泉郷の山中温泉!よろしくお願いねー!!ばいばーいっ!!」


いつも通りに締めて、ついに…この長いながーい収録が終わった!!


「…はいおっけーです!!お二人とも!お疲れ様でした!!」

「二人とも、本当にお疲れ様!」

「知宵ちゃん。日結花ちゃん。…お疲れ様でしたっ」

「ありがとうございますー…うー、終わったぁー!」

「ありがとうございます…ふふ、日結花。お疲れ様」

「はー…知宵もお疲れ様ー。終わったわねー」

「ええ」


みんなから笑顔のねぎらいをもらって、ぐーっと身体を伸ばす。

疲労は疲労であるけれど、それ以上に解放感がすごい。やっぱり一仕事終えると気分いいわ!


「にしても、知宵さ。最後ちゃっかり愛想振りまいて終えたわね」

「そうだった?」

「とぼけなくてもいいわよ。地元アピールまでしちゃって…ずるい。あたしだって用意しておけばあれくらいできるのに」

「ふふ、そうね。あなたの言う通り、少し意識はしたわ。でも日結花。あなたはいつも通りでいいじゃない。むしろいつも通りで愛想が良いのだから、私の方こそあなたが羨ましいわ」

「えー…そうかなぁ」


自分じゃ全然わかんない。愛想は…それなり?意識とかしてないからなんとも言えないわ。


「そうなのよ。…さて、私たちもそろそろ帰りましょうか」

「あー、あんまり時間なかったんだったわね。あと何分くらいある?」

「お二人とも、まだ20分以上ありますよ。新幹線ですから早めに行っておいた方がいいとは思いますが…」

「わかりましたー。よーし知宵。帰りましょ!」

「ええ。帰りましょう」


明るい空の青はどこでも変わらず、ここにいても、きっと帰ってからもそれは変わらない。青い空と、赤い鼓門つづみもんを目に焼き付けてきびすを返す。向かう先は東京。あたしの家族が待っている場所。

もう帰ることに寂しさはない。お別れの挨拶も、再会の挨拶も、全部済ませたから。大事な思い出は胸に残して、もう一度ここに来ることを楽しみにしていようと思う。

風に揺れる髪がくすぐったい。柔らかく吹き付ける風があたしたちを送り出してくれているみたいで頬が緩んだ。


「…なーんてね」


まるで詩人にでもなったかのような心地よさ。旅の終わりは素敵に明るく、次の旅の始まりを予感させる。

次がどんな旅になるのかなんてわからないけれど、それはきっと、一昨日と昨日と、そして今日と同じくらい楽しくなりそうな、そんな気がする。


「何か言った?」

「ふふ、なんでもない」

「?そう?それならいいわ」


自然とこぼれる笑顔をそのままに、帰りの道へと歩を進めた。

さーて!帰ったらママとパパに話さなくっちゃ。特に、ママとはたっくさん話したいことがあるのよ。知宵にも、知宵ママパパにも背中押してもらっちゃったもの。今のあたしならなんでもできるわ。勢いに任せてぜーんぶやり切っちゃいましょ?頑張れあたし!ふれふれあたし!えいえいおー!!


「えいえいおー!ほら知宵も!」

「え…えい、えい、おー?」

「ふふ、ありがと」

「どういたしまし、て?」


いきなりのことで驚きながらもちゃんと付き合ってくれた知宵に満面の笑みを振りまいて、充足感に満ちたまま駅へと入っていった。

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