第131話 帰宅の途 (3)

 う~ん、それでも、隣のちくわの御主人は、「ええけぇ~、ええけぇ~」と、言葉を漏らしながら、太いちくわをエヴァへと手渡ししてくれるのです。


 だからエヴァは、隣のちくわの御主人の押しの強さにたじろいでしまい。


 元勇者の分際なのに、彼の押しの強さに負けそうで、徐々にではありますが後退を始め出しました。


 う~ん、それでも、ちくわの御主人は。


「ええけぇ~。食べ~、食べ~。ほら~。上島の母ちゃん~」と。


 魔物の如く振る舞いで、ちくわを片手に迫ってきます。


 ううう~、どうしよう?


 ここは、エヴァの得意の一つでもある。拳の一撃をちくわの御主人に喰らわせて、気絶──。


 その後はレヴィアタンに頼んで、ちくわの御主人の記憶の操作をおこなうようにすれば。エヴァが今からちくわの御主人におこなう。拳と手刀の連打を誤魔化せる気がするのですが。


 ということで、一撃強いのをちくわの御主人にお見舞いをしましょうかね~?

 と、思った瞬間──!


 そう言えば~? ちくわの御主人は人種で何の訓練もしていないのに、年齢の方が九十二歳だとか、言っていたような気がします?


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