第130話 帰宅の途 (2)
「何だか申し訳ないの~。隣の御主人……。儂は先程も隣の御主人からこの竹輪を頂いて食したからなぁ~。二個目となると流石に忍び難い……」
と、隣のちくわの御主人に謝罪を告げたので。
「そうなのですか? レヴィアタン?」
エヴァは彼女に訊ねたのです。
するとレヴィアタンは、隣のちくわの御主人に対して、相変わらず大変に申し訳なさそうな様子と声色で、「あああ~、そうじゃ~」と、エヴァに告げてきました。
と、なると。やはり隣のちくわの御主人から無料でちくわを頂くのは言伸び難い。
だって昨日迄のエヴァは、自分達の産まれた世界の中の、勇者であり。ポイズン王国の亜ノ国討伐遠征軍の総司令官であったわけですから。無料で頂くわけにはいきません。
でないと? 部下達に示しがつかなくなります。
だって私が指揮した亜ノ国遠征軍は略奪行為と凌辱行為は基本禁止であり。破る者は、いくら参謀本部の者であろうと厳重な処分を科せられる。大変に連携がとれ規律正しい軍隊ですから。
総司令官である、エヴァが規律を乱し破るわけにはいきませんから、家庭内でも一緒です。
今後旦那さまとの間に産まれる子達にも規律正しく。
それが代々ポイズン王国で勇者を輩出してきた我が家……ではないか……。
エヴァを育ててくれた義父はいい加減な人だったので……。
我が王族騎士団は、代々規律を重んじる部隊ですから。
ここでエヴァ自身も規律を破るわけにもいきませんからね。
「う~ん、でも、何だか悪いので、やはり購入します。ちくわの御主人……」
と、告げました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます