第82話 五味の市で魔王と勇者さま、販売するかも? (2)
まあ、我が家の魔王な奥さまは、若いエルフな奥さまとは違い。余りはしゃいだ様子もしないで、女王さまらしく落ち着いた振る舞いで辺りを見渡しているのが、俺の目には確認がとれるのだが。
そんな様子のレヴィアを凝視すれば、亜ノ国の太后殿下である妻は、余りこういった庶民的な場所には興味もないし。もしかすると不快感も募らせているのではないかと?
レヴィアを凝視しながら俺自身、そんなことを思ってしまった。
「上村さん~。今週もきたね~。おはよう~」
う~ん、何処からともなく元気な声が?
それも今は、冬場の朝で、六時半ぐらいだから、未だ辺りも薄暗いのだよ。
なのに、こんな朝早くから開店前の五味の市に来店して、元気な声を高らかに出すのは誰だろう? と、思いながら。
と、いうことはないね。この時期の備前市の日曜市は、この日生町の五味の市と穂浪の真魚市という二つの市場が牡蠣の販売などをおこなっている。
特に真魚市は五味の市よりも開店時間が早く、もう既に開いて営業をおこなっているから。
そちらで買い物したお客さまが、その足で、五味の市へと買い物にこられるので、市場が開店していなくてもお客さまが沢山いるのだよ。
だから、五味の市は、漁師町の市場らしい、活気のある挨拶の声が、朝早くから多々聞こえてくるから、俺も
まあ、俺の個人的な話しがでたので、少し話しが飛んでしまったようだから元に戻すね。
でッ、俺に元気な声色で挨拶をくれた男性へと。俺は視線を変えるね。
特に、今俺に挨拶をくれた人に対して、自分自身の、ある大事なものを見せたいのだ。
そして自慢をしたい。『どうだ~! 凄いだろう~?』と。
まあ、そんなことを思いながら、彼の方を向く。
「はやようございます。いつも主人がお世話になっています……」
俺が朝の挨拶をくれた男性に、二人の奥さまを紹介しようと思っていたら。
俺の紹介よりもレヴィアが男性……。
まあ、俺達は、彼のことを『赤穂のお兄さん』と、呼んでいるのだが。
そんな彼に、夫の俺が、いつも世話になっていると、自ら挨拶をした。
だから赤穂のお兄さんは驚愕──。
そして直ぐに呆然……空いた口が閉まらないといった様子なのだ。
でッ、少し間が経つと。
「か、上島さん~? も、もしかして? この
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます