第80話 魔王さんと勇者さん、日本の漁港と市場を見て感動します! (5)

 と、俺が脳裏で思いながら車を運転していると、道路脇の船着き場で何やら作業をしているお兄さん達の姿が俺の目に映ったので、二人の奥さまに教えてあげようと思い声をかけることにしたのだ。


 だって、海や漁師町、船着き場を見たことがない二人ならば、さぞ喜ぶだろうと思い。


 俺はこんな感じで、魔王な奥さまと、勇者な奥さまに声をかけた。


「ちょっと二人とも、道路脇の船の着き場を見てみな? 二人にとっては珍しい物が目に映るから……」


 俺はこんな感じで、奥さま二人へと高らかな声で呼びかけた。


「ん? どれだ?」


「どこですか?」


 二人は俺の呼びかけ対して、声を揃えたように言葉を返してきた。


 だから俺は、二人の奥さま達にこんな言葉を返すのだよ。


「あれだよ? あれ? あの船着き場で作業をしているお兄さん達を見てみな、二人とも……」


 俺に船着き場で作業しているお兄さん達の様子を見るようにと告げられた二人は、視線を向け確認をするのだよ。


『フムフム』と、いった様子でね。興味津々に見ているよ。我が家の奥さま

 二人は。


「殿~、あれは、何をしているのだ~?」


 レヴィアが漁師のお兄さん達の仕事内容を見て確認をすると、『何をしている?』と、訊ねてきた。


「ん? あれはね、漁師のお兄さん達が、魚を獲る網を直しているのだよ」


 だから俺はレヴィアへとこんな言葉を返した。


「へぇ~、そうなのですか~。旦那さま~。お魚って、あんな大きな網で採取するのですね~?」


 すると今度は我が家のエルフな奥さまが俺に訊ねてきたから。


「うん、そうなのだよ。エヴァ。とても大きな網を使用しているだろう」


 と、言葉を返した。


「ええ、そうですね、旦那さま~。それよりも、あの大きな建物は何ですか~?」


 俺の説明を聞いた我が家のエルフな奥さまなのだが、漁師のお兄さん達が作業をしている方から、自身が何か気になる物を見つけたらしく。そちらへと視線を変えて指をさしながら俺へと訊ねてきた。


 だから俺はエヴァの指さす方向へと視線を向ける。


 するとエヴァの指さす先にある建物を俺は見て声をあげる。


「あっ! ついた、ついた、五味の市に。エヴァ、あの建物が、今日俺達家族が販売をする市場だよ」


 俺は我が家のエルフな奥さまの質問に対して高らかな声……。小さな子供みたいにはしゃぎながら言葉を返したと思うのだよ。


 まあ、この後もいつものお約束のように、レヴィアから。


「殿~。余り、子供みたいにはしゃぐな、うるさいぞ~」


 と、諫めの言葉を頂いたからね。


 う~ん、まあ、多分? 俺自身が、週末になれば販売させて頂き商いをさせてもらい。大変に御世話になっている五味の市だから、奥さま二人にちゃんと見て確認をしてもらいたかったのではないかと?


 俺自身、後日ふとこの時のことを思い出して、思案をしたのだった。



 ◇◇◇◇◇

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