第66話 魔王様と勇者さま、日本で初の【牡蠣】を食べます! (3)

 まあ、我が家の勇者な奥さまも、『旦那さま、どうですか?』と、俺にわざわざ訊ねてくるのもどうかしているとは思う。


 だって先程も俺が脳裏で思った通りだよ。


 俺はエヴァのことが可愛くて仕方がない。


 それこそ明日、家に帰宅をしたら、我が家のリビングに等身大フィギュアとして大事に飾っておきたいぐらい可愛くて仕方がないのだ。


 そんな俺好みのエルフな奥さまが、自身の持つ金色の髪を濡らし。碧眼の瞳を潤ませながら。大きくて可愛い笹耳を『ピクピク』と、動かし優艶なポーズ──。


 それも漆黒の妖艶な下着を着衣して、俺に『エヴァの艶姿を見てよ! そして感想を頂戴!』と要求されれば、勇者な奥さまに告げる言葉は一つだけだよ。


「いいよ~。エヴァ~。素敵だ~! 今直ぐにエヴァのことを『パクン』と、食べたいくらい可愛いよ~!」


 としか、俺は答えることしかできないよ。


 それも相変わらず、自身の顔を緩ませ鼻の下を伸ばしながら答えた。


 でッ、その後はレヴィアと一緒だよ。エヴァにもお礼の言葉を告げる。


「ありがとうございます~、エヴァさま~。こんなにも良い物を拝見させて頂いて。自分はとても幸せで御座います~」


 すると我が家の勇者な奥さまも、魔王な奥さまと一緒で。


「うふふふ、そうですか~、だ・ん・な・さ・ま~?」


 と、笑みを浮かべながら上機嫌な御様子なのだ。


 そんな可愛い様子の妻を俺は凝視しながら「うん!」と、言葉を返す。


「じゃ、エヴァのこともレヴィア同様に抱いてください~。旦那さま~」


 う~ん、やはり、俺の思っていた通りだった。勇者な奥さまも、魔王な奥さまのように、俺に甘えたいから、優艶なパポーズをしては誘っていたようだ。


 俺はそう思うと、自身の空いている手をエヴァへと差し伸べる。


「あぁ~い。いいよ~、おいで~、エヴァ。抱っこしてあげるから~」


 俺自身も勇者な奥さまに甘え声色を使用しながら誘い。


 エヴァの腕を優しく掴んで──。


 そのまま強引に、俺の方へと引き寄せ──片手でエヴァを抱いた。


 でッ、その後は、お互い口づけ。


 それも官能的で濃厚な大人のキスという奴を二人で堪能……。


 そのまま、セオリー通りで押し倒そうと試みる。


「殿~。今そんな事をしていたら、夕飯を宿の女将が運んできた時に大変困るぞ~」


 俺が男の性という奴を抑えきれなくなり。勇者な奥さまを夕飯前に頂こうとしたら、魔王な奥さまに、夕飯前だからやめるようにと諫めの言葉を頂いた。


 だから俺とエヴァは「は~い」と、レヴィアに返事を返したのだよ。


 でッ、その後は、我に返った俺は、宿の女将が食事を運んできたらいけないので、慌てふためきながらレヴィアとエヴァに、宿が用意してある浴衣を着せる。


 その後は冒頭の通りで、レヴィアに自身の髪を乾かしてくれとせがまれて、ドライヤーを使用──。丁寧に俺は妻の髪を乾かした。


 そして今は、二人目の妻であるエヴァの髪を俺はまた丁寧に乾かしている最中に。奥さま二人から濡れた髪を乾かすのが上手だと絶賛の言葉を頂いた新婚ホヤホヤの俺なのだ。



 ◇◇◇◇◇


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