第65話 魔王様と勇者さま、日本で初の【牡蠣】を食べます! (2)

 まあ、でも、あれだ?


 これでわかったことが一つできた。


 どうやら俺とレヴィアが逢ったのは、理美容の見習いをしていた頃か、辞めた後になるということだけはわかった訳だが。


 まあ、俺自身、その辺りはもうどうでもよいことだと思う。


 だってレヴィアが俺の許に帰ってきてくれた。


 それだけでもう俺は十分満足!


 それにエヴァも俺のお嫁さんになってくれた。


 だから俺は、今日から賑やか家族で、一人ボッチではない。お嫁さんと娘が同時にできたから、夢幻ではないかと。俺自身が本当に疑うくらい幸せだよ。


 先程のお風呂の中だってそうだった。夫婦三人で『ムッ、フフフ……』と、仲良く、身体と身体の洗い合い……。


 そして湯に浸かり、身体と身体の触れ合いなのだ。


 もうさぁ~、本当に幸せだった。


 これぞまさに、新婚生活だと幸せをしみじみと実感できたのだ。


 だから俺が今、エヴァの濡れた美しい金色の髪をドライヤーで乾かすのだって、決して残業だと思ってはいけない。


 これは俺の奥様二人に対しての、コミニケェショーンでもあり。自分の大切な宝物であり愛する者へのオスとしての性であり、本能のままに俺は毛つくろいをしているだけだ。


 だから俺は全然苦痛では無い。


 それどころか喜で奉仕をしているのだ。


 だって独り身で寂しくしていた俺に、やっと出来た。


 それも何度も俺自身が夢見たお嫁さん──誰もが羨むような女神さま……。


 ではなくて、魔王さまと勇者さまであらせられる奥さま達なのだ。


 まあ、とにかくこんな感じで、俺の急な新婚生活が始まったから嬉しくて仕方がない。


 だってさ、先程も奥さま達二人は、俺に『サービス! サービス!』をしてくれた。


 俺の顔が緩み鼻の下が『デレ~』と伸びるくらいにこんな感じでさ。


「どうじゃ~、殿~? この下着は儂に似合うかのぅ~?」


 妖艶魔王な奥さまは、こんな甘い台詞を俺に告げながら、真横に寝ころびながら優艶なポーズをしてくれる。何処かの女優かアイドルさまのように。


 だから俺は感無量!


 レヴィアの前で正座──。


「おっ、お似合いで御座います~。魔王さま~」


 自身の両手を使用しながら、我が家の魔王な奥さまを何度も仰ぎ拝んだのだ。


 するとさ、我が家の魔王な奥さまは、大変に御機嫌良くされた御様子で。今度は違う優艶なポーズをしてくれたのだよ。こんな言葉を漏らしながら。


「そうか~、殿~。じゃ~、これならどうじゃ~?」


 魔王な奥さまは、夫の俺を喜ばせようと、このように色々な優艶なポーズをしては見せ、喜ばせてくれるから。


 俺も更にノリ良く、魔王な奥さまを拝みに拝んだよ。自身の両手を使用しながら、こんな感じでお礼も告げた。


「はっ、はぁ~、魔王さま~。大変に良い物を見て、拝見させて頂きました~。自分は大変に感無量でございます~。本当にありがとうございました。魔王さま~」


 俺がレヴィアを拝みながらお礼を告げると、本当に魔王な奥さまは嬉しそうなのだ。


 だって、夫の俺にこんな言葉を告げながら。


「(ウフ~)そうか~殿が~、こんなにも喜んでくれるのなら~。儂も満足じゃよ~。殿~、殿ぉ~」


 と、下着姿のままなのに、我慢できなくなったのか?


 俺に抱きつき甘えてきた。


 それもレヴィアが着衣している下着は、先程赤穂のショッピングモールで購入した。赤のスケスケ仕様の勝負下着なのだよ。


 だから魔王な奥さまに抱きつかれると、俺は感動の余り、自身の鼻から、真っ赤なお水を噴射しそうだ。


 う~ん、でもね、俺は何とか耐え忍んだよ。


 だってさ、俺が余りにも魔王な奥さまを拝んでいたら、今度は勇者な奥さまが、甘え声色と優艶なポーズを駆使しながら俺を誘うのだ。


「旦那さま~、旦那さま~、だ・ん・な・さ・ま~?」とね。


 それもさ、子猫のように手招きをしながら誘う。エルフの大きな笹耳もピクピク動かしながらだよ。


 特にさ、我が家の勇者な奥さまは、オタクな俺が、エルフ萌だと知っているから、わざわざ変身魔法を解いてから、エルフ耳と妖艶下着のダブル攻撃で誘ってくる。


 だから俺は、レヴィアを優しく抱いたままではあるが。


「あ~い」と、自身の顔を緩め、鼻下も伸ばしながら甘え声色でエヴァへと返事をした。


「エヴァのこの姿は、どうですか~、だ・ん・な・さ・まぁ~?」



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