第63話 魔王さまと勇者さま、日本の宿に泊まるよ! (8)

「そうか~、分かったよ。エヴァ~」


 俺はエヴァに、『わかった!』と返事を返すと今度は、我が家の魔王な奥さまの方へと視線を変えた。


 すると我が家の魔王な奥さまは、俺が先程注いだ熱い日本茶を、正座をしながら大人しく飲んでいる最中だった。


 そんな様子でいるレヴィアに俺は。


「エヴァはこんな感じで、畳の上に直接布団を敷いて睡眠をとると言っているけれど。レヴィアはどうする?」


 と、訊ねた。


「ん? 儂か?」


「うん、そうだよ? レヴィアはどちらがいい~?」


 俺が我が家の魔王な奥さまにベッドと布団──。どちらがいいのか? と訊ねると。


「ん? 儂は殿と同じ布団で寝るつもりだから。殿にあわせるよ」


 と、だけ俺に告げると、何もなかったかのように、またお茶を飲み始めだした。

 俺はそんな魔王な奥さまの様子を見ながら。


「そ、そうだよね。俺達夫婦だから。一緒に寝るわけだからね。わざわざとレヴィアに聞く必要もないよね」


 俺はこんな感じで動揺をしながら、レヴィアに言葉を返したのだよ。


 だ、だってさ、レヴィアと一緒に床に入るということは?


 我が家の妖艶魔王さまと子作り……。俺はレヴィアの妖艶な肢体を好きなだけ貪ってもよろしいわけだよね?


 でッ、ないと? 二人目の子供もできないし。産まれることもないからね?


 まあ、俺は、そんな邪なことを思うと、自身の鼻の下が伸びそうだよ。


 と、いうか。伸びてきた。『デッ、ヘッ、ヘッヘッ……』と、いった様子でね。


「ん? 何だか嬉しそうですね~? 旦那さま~?」


 俺が自身の鼻の下を長くしながら、『ニヤニヤ』と、していると。エヴァが不機嫌な様子で訊ねてきた。


 だから俺は、自身の緩めた顔を取り敢えずは元に戻しながら。「そうかな?」と、言葉を返す。我が家のエルフさまに。


「そうですよ~。そんなにレヴィアと二人で床にはいるのが嬉しいのですか~?」


 やはり我が家のエルフさまは、俺とレヴィアに対して、嫉妬心をあらわにしているようだね。


 う~ん、でもさ、エヴァは何か誤解をしている。


 俺の家はベッドなど置いていない。


 だからエヴァが畳の上に直に布団を敷いて寝るなら。それは俺の布団の横に敷くわけだから。俺とエヴァも同じ床で寝るのと一緒──。


 だから俺は両手に花状態で寝るわけでから更に嬉しさは倍と言うわけだからね。


 まあ、そういうことですから、我が家の勇者な奥さまに。


「ん? 俺が一緒に床に入るのはレヴィアだけではないよ~。エヴァとも一緒だから~。俺は嬉しくて仕方がないのだよ~。わかった~? エヴァ~?」


 俺は高らかな声色で、我が家の勇者な奥さまに説明をして。そのまま、布団に転がっているエヴァへとダイブ~。


『ギュ~』と、抱き締めた。


 そして妻に、「家にはベッドなどないの~。だから家に帰っても、宿と一緒で川の字になって寝ようね~」と、嬉しそう告げる。


 それもエヴァに俺が甘えながらだよ。


「そうですか~。それは知りませんでした~。ならエヴァも嫉妬心をあらわにしなくても大丈夫そうですね~」


 だから我が家のエルフさまは上機嫌──。俺を優しく抱擁──。


 そして後には、俺の頭を優しく撫でてくれたし。キスもくれたのだよ。


 だから嬉しくて仕方がない俺だった。


 お風呂に行くのも忘れる程にね。



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