第62話 魔王さまと勇者さま、日本の宿に泊まるよ! (7)

 だから今俺の目の前で、我が家のエルフさまが畳と布団の上をゴロゴロと転がりながら戯れている横に並んで、そのまま『ギュ~』と抱き締め取り押さえたい衝動に駆られそうなぐらいにね。


 まあ、取り敢えず、俺の邪な思いは置いておいてと。


 う~ん、何でも我が家のエルフさまはね。この日本独特の文化である畳と、その匂いとね。このベッドではない、直に直接敷く布団が妙に気に入っているみたいなのだ。


「旦那さま?」


「ん? なぁ~にエヴァ~?」


「旦那さまのお屋敷にも、この畳と言う物はあるのですか~?」


 だって我が家のエルフさまは、こんな感じで俺の住んで居る家にも畳はあるのかと女神の微笑みを浮かべながら訊ねてきたのだ。


「うん、あるけど、どうかしたの?」


 だから俺はエヴァにこんな感じで答えた。


「いや、あるなら、エヴァはこのようにベッドではなくて、畳の上で直に布団を引いて寝たいです~」


 すると我が家のエルフさまは、俺が先程も告げた通りで、畳の上に布団を敷き安眠をしたいと告げてきたから。


「へぇ~そうなんだぁ~?」


 と、俺がエヴァに言葉を返したら。「はい!」と、我が家のエルフさまは元気よく俺に返事を返してくれた。


「それじゃ~、エヴァは、ベッドではなくて、畳の上に直接布団を敷いて睡眠をとるで、いいのだよね~?」


「はい、エヴァも今日から旦那さまの妻で日本人になる訳ですから。このように日本人らしく、畳の上に直接布団を敷く作法で構いません」


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