第43話 魔王と勇者さま、日本で初の買い物をする (5)

 だから我が家の魔王さまは亜ノ国の女王さまでもあるから。


「殿~。ちゃんと前を見て運転をしろ~。もしも事故でもしたらどうするのだ~? 事故をした相手にも悪いし、お金のかかる事だから。ちゃんと前を見て運転をしろ~? いいな~、分かったかぁ~? 殿~?」


 こんな台詞を夫の俺にして諫めてきた。


 まあ、当たり前のことなのだが。


 う~ん、でもさぁ~、我が家の魔王奥さまは、俺に諫めの言葉を漏らすわりには。助手席から運転中の俺に甘えジャレテくるのだよ。運転に支障がでるくらい。


 だって運転中の俺の膝に頭を載せ甘えてくる。


 その他にも家の奥さまは、その他諸々と甘え悪戯行為を続けては堪能しまくりして新妻さまのように楽しんでいるから。


 俺はそちらの方も気になって仕方がない。


 でも、レヴィアが俺に甘えたくて仕方がないのなら、『別にいいか?』と、思うことにして。


「えっ? あっ、あああ、ごめんよ。レヴィア……」


 と、告げて素知らぬ振りを決め込みながら運転に集中するように努めたよ。


 う~ん、でも、本当に困ったな~?


 我が家の妖艶魔王な奥さまは~。


 まあ、俺のことが好きで仕方がないといった感じで良いのだが。せめて夜の床だけにしてもらいと思うのだよ。これだけ過激に甘えるのはね。



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