第42話 魔王と勇者さま、日本で初の買い物をする (4)

「二人とも着いたよ!」


「おおお、殿~!  着いたか~! 着いたか~! ショッピングモールという物に~!」


「えっ? こ、これが……ショッピングモールと言う物ですか~? す、凄く大きなお店ですね。レヴィア……」


「うっ、うむ、そっ、そうじゃのぅ……。以前この世界に着た時も色々なファッションビルやデパートなる物を見て、儂は大変に驚いたが……。こちらの世界の建造物を本当に久しぶりに見ると。やはり儂は立場を弁えず驚嘆してしまいそうになってしまうの……」


 う~ん、これまた。我が家のエルフさまは、自身の綺麗な碧眼の瞳が入った目を大きく見開き驚愕をするのだよ。異世界日本にあるショッピングモールの巨大な大きさを見てね。そしてエヴァは驚嘆の声を漏らす。


 俺はそんな我が家のエルフさまの様子──。また傍から見ていて見惚れ魅入ってしまうのだよ。


 今日新妻さまと逢ってから何度目だろうか? と、指で数えたくなるぐらい可愛くて魅入ってしまう。


 本当にエルフ萌えだと、世間様は良く言ったものだと、俺自身も本当に関心をするぐらいだ。


 まあ、とにかく、家のエヴァ様の様子は、『萌萌キュン~!』と、いった様子でね。


 このショッピングモール迄の移動の道のりの最中──。


「旦那さま~、あれは何ですか~?」


 我が家のエルフさまは、自身の指で色々な建物を指しながら、俺に問いかけてくるのだよ。


 だから俺はエヴァの指先にある建物を確認しては説明──。


 本来は俺自身運転中なので、余所見運転は危険がつきものなのでしてはいけないのだが。


 家の新妻さまは本当に傍方から他人が見ても魅入るぐらい萌萌のキュン~なエルフさまだから、俺は自身の顔を緩ませ鼻下を伸ばしながら説明をするのだよ。可愛い新妻さまにこんな感じでね。


「ん? ああ、あれはね~? バッティングセンターだよ~」


 俺は我が家の可愛いエルフさまに告げたのだよ。


 う~ん、でもね~? 我が家の可愛いエルフは未だ大変に御若いから好奇心の方が旺盛でね。直ぐに夫である俺に質問の雨嵐──。


「旦那さま~。では、あれは何ですか~?」


「ん? えっ、えぇ~と? あれは……何処かの大きな会社の工場だと思うよ?」


「ふぅ~ん、そうですか~? では~、旦那さま~。あれは~? あれは~? 何です~?」


「う~ん、えぇ~と? あああ、あれは電車が停車する駅だよ」


「……ん? 駅? 電車……? 旦那さま~。駅とは一体何ですか~?」


「えっ? う~ん、えぇ~と……? 駅とは、電車が停車して、料金を払い切符という物を購入すれば誰でも乗ることが可能な乗り物だよ……」


 まあ、我が家のエルフさまに俺は、車の車窓から見える建物を色々とこんな感じで説明をしたのだ。


 このショッピングモールへと到着するまでの間──。


 家の新妻さまは本当に、車の車窓から流れるように見える建物や景色──歩く人の様子を嬉しそうに見ては堪能をしていた。


 その様子をバックミラーから凝視をすれば本当に可愛いのだ。俺のエヴァは……。


 だから俺はチラチラとバックミラーも確認しながら自動車を運転──。


 ここまでの道のりは本当に危険なものだったと思う。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る