第36話 俺と魔王さんと勇者さん (21)
……ん? 何? 何だ~? 俺の予想を反した言葉が、俺のエルフさまから返ってきた。
それも、まさに? エヴァの心の中は『ハートマーク! 萌~、萌~。キュン~』と、いった感じの様子だよ。俺の強引なプロポーズ(?)の言葉を聞いて感動したのだと告げ終えるとまたエルフさまは甘え始めた。
それも傍から見れば絶対に生娘には見えない甘え方なのだ。
だから俺のエルフさまは、こんな大人の妖艶な甘え方を一体何処で覚えたのだろうか?
本当に俺自身怪訝してしまいそうだ。
う~ん、でも、いくら俺のエルフの美少女が大人の妖艶な甘え方を披露してきても、生娘なのは間違えないみたいだからいいか~。
まあ、俺にとっては大変に都合のよいことが露見されたからいいことなのだからよしとしておくよ。
だって俺の勇者エヴァさまは。俺が頭を優しく撫でる度に、本当に幸せそうに安堵しなから微笑むから。
「ん? どうした、殿? 少し悩みごとなのか? 浮かない顔をしているようだが?」
「ん? そうかな?」
「ああ、そう見えるが~? もしかして、エヴァのことか~?」
俺がエヴァを見詰めながら優しく頭と髪を撫でていると、我が家の魔王さまが、エヴァのことで悩みなのか? と、訊ねてきた。
「えぇ~、旦那さまは~。エヴァのことでお悩みですか~?」
レヴィアの俺への問いかけに対して勇者エヴァさまが反応をして訊ねてきたのだよ。
でもね、エヴァに訊ねる訳にもいかないでしょう?
何でエヴァは生娘なのに、異性に対してそんなに甘えるのが上手なの? キスの仕方だって、どうみても乙女の恥じらいあるキスではなく、異性を知った大人の女性がする濃厚で妖艶なキスだと思うぞ? と、訊ねることなどできない。
「ち、違うよ~。エヴァのことではないよ~。さてこれからどうしようかなぁ~? と、思っているだけだよ~」
すると家の妖艶魔王さまが俺の耳元へ吐息を吹きかけながら。
「亜人のメス達は生娘であろうとも、異性に惚れてしまえば、甘えるのがこんな感じで大変に上手だからのぅ~。儂等の住んで居る世界の人種の間では亜人は
まあ、確かにレヴィアの申す通りだね。確かに交われば、生娘か? 生娘でないか? は直ぐにわかること……。
と、言って、レヴィアが告げていたけれど。生娘ってどうやったらわかるのだよ~。
過去の記憶の無い俺は、自身の頭を両手のひらで押さえ──。
『うぉおおおっ! どうなっていれば生娘だとわかるんだぁあああっ!』
俺はこんな卑猥な言葉を、声を大にして叫びたい衝動に駆られてしまった。変態男さまでした。
◇◇◇◇◇
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