第34話 俺と魔王さんと勇者さん (18)

 だからできれば彼女を他人にやりたくはない。俺だけの所有物にしたいのが本音なのだよ。


 まあ、そういうことだからエヴァの悲惨な過去や今の邪で淫らな行為に遭っている悲惨な日常生活を聞いても俺は驚かないし。それを聞いても彼女のことを優しく包み癒しながら生涯寄り添い守るのだと決めた。


 まあ、よく思案をしてみたら、レヴィアの時とは逆かな?


 レヴィアの時は、邪で淫らな日常生活があれば絶対に妻のことを許さない。


 それこそ? レヴィアが異世界ゲートを開けば、向こうの世界に殴り込み──!


 俺の妻に触り触れ交わった男はどいつだ! 皆殴り倒してやるのだと本気で思っていた俺だからね。いくら相手が魔族の貴族や名高い将軍さまであろうと絶対に許さないと、実は本気で思っていた。レヴィアには内緒なのだが。


 まあ、それぐらい、先程の俺は妻に対し嫉妬心をあらわにしていた。


 でも、家の奥さまが、浮気など一度もしたことなどないと、泣きながら告げてきたので信じることにした。


「旦那さま。私は幼少の頃に母親から引き離されて売られていたのですよ」


 俺が先程のように、自身の脳裏で思案をしていたら、エヴァから悲しい声色での言葉が返ってきた。


 それを聞き、俺は彼女にどう言葉を返してよいかわからないので取り敢えず。「そ、そうなんだぁ……」とだけ言葉を返した。


 するとエヴァから「はい」と、やはり悲しい声色でまた言葉が返る。


 でッ、その後また彼女の口から。


「そんな奴隷市場で売られていた私を、元勇者であった義父である父が買い取って、勇者としてここまで育ててくれました……。多分? 奴隷として売られていた私の魔力が高いことに義父は気がつき育ててくれたのだと思いますが……」




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