第33話 俺と魔王さんと勇者さん (18)
う~ん、でもさ、今度は逆に、今迄可愛い素振りをして俺を『萌~、萌~。キュン~。ハートマーク』と、喜ばせてくれていた勇者エヴァさまが、自身の美しい碧眼の瞳が入っている目を般若のようにつり上げて──。
「もう~、旦那さまはぁあああっ! エヴァを放置してレヴィアタンとばかりイチャイチャして酷いです旦那さまぁあああっ! 先程エヴァのことを生涯かけて守り可愛がってくれると申してくれたのですから。ちゃんと約束通り、分け隔てなく可愛がってください──!」
まあ、俺自身も良くはわからないが。何故か? 家の奥さまに嫉妬して、俺に怒号を放ちながら不満を告げてきたのだが。彼女が俺に申すのは、自分もちゃんと家の奥さま同等の扱いで接してくれないと困ると告げてくる。
先程俺が彼女に生涯寄り添い守り、養うとプロポーズをしたらしいのだが。
俺は只事故の件の損害賠償金を払うからと告げたつもりだったのに、エヴァさんはそう受け止めずに、俺が彼女にプロポーズをしてきたから了承をしたみたいだ。
う~ん、でも? エヴァさんみたいな綺麗で萌萌しているエルフの超がつく程の美少女が、アラサー男の俺なんかでいいのかな? と、思う。
それに日本だと重婚って犯罪だよね?
でも、向こうの世界は大丈夫なのかな?
だってエヴァさん自身は、俺には既に上村レヴィアタンという名の妻がいることを承知の上で。家の奥さまと同等に扱えと不満を告げてきた。
「えっ? でも? エヴァさんは、俺みたいなオジサンなんかでいいの?」
俺はエヴァさんに訊ねてみた。俺のようなアラサー男の上、妻持ちの子持ち(?)男なんかでいいのかと?
だって先程俺が彼女に何度も見惚れ嘆息を漏らしたように、本当にエヴァさんは、女神のように美しいのだ。
だからオジサンの俺などには勿体無いお化けが出そうなぐらいのエルフさま……。
それにレヴィアが異世界ゲートを開けるようになれば直ぐにでも自身の住む世界や国に帰還をすることも可能だから、自分が住む世界の若い美男子を選り好みして伴侶になればいいのにと思うのだが?
彼女は何故? 俺のようなオジサンに興味を示すのだろうか? 不思議でならないから俺は困惑をしそうだ。
「いいのか~? 勇者エヴァ? 殿の嫁に入るという事は、自分の産まれ育った国や民を裏切る事になるのだぞ?」
俺がエヴァさんの。俺に対する想いを感じ困惑をしていたら、家の奥さまが魔王さまモードになり勇者エヴァに訊ねた。
エヴァさん自身が産まれ育った国や民を裏切る覚悟はあるのかと?
「ん? 裏切るもなにも、魔王レヴァタン。亜ノ国の女王である貴女が、私の容姿を見れば訊ねなくてもわかるでしょうに?」
エヴァさんは意味深な言葉を家の奥さまへと告げた。
するとレヴィアは「うむ、そうじゃのぅ~」と、だけ、エヴァさんに言葉を返した。
でッ、その後二人沈黙をする。
だから気になった俺は、「ん? 何か昔あったのかな、エヴァさん?」と、訊ねてみた。
最初は重苦しい雰囲気なので、俺もエヴァさんに訊ねない方がよいかな? と、思ったのだが。
彼女を俺が受け入れて生涯賭けて守るのならば、どんな些細なことも聞いておきたい。
それが俺の想像をすることであっても全部纏めてエヴァさんを愛し守りたいのだと本気で思った。
家の奥さまから気の多いい浮気男だと思われようが。最初に俺が告げた通りで。この美しい金髪碧眼エルフの美少女に俺は魅入り心を奪われ、一目惚れをした。
まあ、最初に家の奥さまが頭鎧を脱ぎ棄て、俺に顔を見せていれば。俺は多分間違えなしに、家の奥さまに魅入り心を奪われ一目惚れをしていたと思う。
でもね、順番が変わってしまったから、最初にエヴァに一目惚れをしてしまった。
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