第24話 俺と魔王さんと勇者さん (9)

 でッ、その後彼女の小さいお顔を見て驚愕──。


 な、何と美しい白人女性なのだろうか? と、俺は素直に思ったよ。まるでハリウッド映画の銀幕を可憐に彩るセレブの女性……どころではないね。


 ま、まさに、ああっ、俺の女神さま……と、嘆息を漏らしながら膝待づき、両手を合わせ拝みたい衝動に駆られたくなるようなお姉さま……ではなく。美少女さまなのだ。


 だから俺は彼女に見惚れ、碧眼の瞳に、自身の魂を吸い込まれてしまい。沈黙続ける。


 と、いうか? 魅入り沈黙を続ける予定ではあったのだが。俺の女神さま……ではないけれど、彼女の美しいお顔に魅入っていると。何かしら違和感のある物が美しい少女の左右についているのだよ。先ずこの世界には無い物が。


 まあ、あるとすれば、それこそ? 先程少しばかり話しに出たが、映画やドラマ、アニメ、マンガ、ライトノベルに最後はゲームの世界観でしか見受けられない大きな笹のような可愛い御耳──。


 俺はそれを見て確認をしたから驚愕──。声を大にしてエルフと叫んだ。


 でも、エルフと叫び終えると、また直ぐに沈黙──。慌てて自身の口を押えた。


 でッ、ないと? 誰が聞いているかわからない。


 それにエルフの勇者さんが、俺の声を大にした叫びに対して驚愕してしまい。慌てふためきながら今のように俺に訊ねてきたから。取り敢えず俺は気を落ち着かせようと努力を始める。


 またそうしないと本当に大変なことになってしまう。


 だってエルフの勇者さんが人目に触れ、警察に逮捕──。保護をされるだけならいいのだが。世間の晒し者にされてしまう。


 まあ、晒し者になるだけならいいのだが。何処かわからない施設に連行されて、人体実験の素材にされてしまったら大変だから。とにかく俺は自身の気を落ち着かせ、どう対処しようか思案をすることにする。


 う~ん、でも、最初は、彼女が今俺に質問したことに対して返答をする方が先だと思われるから口を開いた。


「えっ? あっ、はい! エルフの人など僕は初めて見ました。勇者さんは本物のエルフさんですよね?」


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