第23話 俺と魔王さんと勇者さん (8)

「ん? 私は旦那さまの申す通りでエルフでございますが……。そんなに驚くほどのことはないとは思うのですが~? う~ん、もしかして? 旦那さまはエルフを見るのは初めてなのですか~?」


 俺の目の前にいた白い甲冑を身に纏うお姉さん。自身が被る頭鎧を脱ぎ地面に叩きつけ、黒い甲冑を身に纏うお姉さんと対峙──。


 何が原因なのかまでは俺自身もよくはわからないけれど? お互いが睨み合いを始めだした。


 それこそ? 洋画やドラマ、アニメのワンシーンのようにいつ争いが始まっても可笑しくない様子なのだ。


 だから俺は、何とか怪我をさせている可能性がある御二人の女性の荒々しくなっている気を落ち着かせて謝罪──。病院へと連れていき検査と治療をしたいのだが。今の御二人の様子を凝視すれば中々叶わぬ思いだと思わざるを得ない。


 でもさ、二人のお姉さま達がこんなにも荒々しく気を立てているのは、みな俺が起こした人身事故の為だと思うから。何とか二人の仲を取り持ち、仲直りをさせないといけない。


 まあ、俺はこんなことを脳裏で思案をしながら、白い甲冑を身に纏うお姉さんへと視線を変えた。それも何気なく気にも留めずに彼女の容姿をみたのだよ。


 う~ん、金髪の綺麗な髪色を持つ女性だな……。


 先ず俺が最初に勇者さんへと思った印象はこうなのだ。



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