第15話 魔王さまの想いと決意!

(ああ、本当に良かった。妾の殿が目の前にいるということは。どうやら妾の異世界転移は、上手くいったようじゃのぉ~。だって妾の面前には先程から愛しの殿の姿がる。まあ、殿も妾と一緒で少しばかり歳をとり老けてしまったようだが。妾としては、あの頃の未だ幼さも残る殿よりも、今の大人びた殿の方が、大人の殿方といった感じで凛々しくなっているようだから。今の殿の方が妃である妾も好みじゃなぁ~。う~ん、でも、殿が本当に無事息災でいてくれたから、妾は本当に安堵しているし。これからは二人で仲良く暮らせればいいとも思うのだが……。う~ん、でも、妾の斜め横には、勇者の姿が映るから。そうも、いかないかも知れぬ……?)


 まあ、儂は自身の心の中で愛しい殿の事を想い無事な姿を見て安堵すると。直ぐに白い甲冑を身に纏う。勇者の方へと視線を向け、自身の目を細め睨みつける。


 だってもしも、仮に勇者が、儂の愛おしい殿に害をなすようなら。今度こそやつと儂は刺し違えてでも。愛する殿の他雨に奴をこの世界から葬り去ってやるから勇者……。


 儂はこんなことを脳裏で思い決意を固めながら。勇者が儂の殿に口を開き始めるさまを凝視したのだよ。

 いつでも儂が勇者を襲えるようにね。



 ◇◇◇◇◇

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る