第13話 魔王と勇者の関係……(8)
「う~ん、仕方ないですね~。魔王レヴィアタン~。貴女の女性としての素直な気持ちは分かりました~。実際我が主君も、貴女の肢体(身体)に興味を持ち。私に貴女を捉えるようにと、何度も急かし、催促をしてきていますから~。貴女の望み通り~。貴女の命と娘の命は助けましょう~」
勇者は儂の命乞いの嘆願を承認──。我が娘を解放してくれると告げた。
だから儂は勇者の話しを聞き、『ホッ~』として安堵する。
これで儂の娘の命は保証された。
う~ん、でも? 未だ気は抜けない。
儂の娘の首元を勇者力強く握ったままでいる。
となれば? 儂が不審な動きをすれば、勇者は速──。我が娘の細い首筋を締め──。殺害してしまうつもりなのかも知れない?
と、儂自身も不穏な動きをせずに真っ直ぐ勇者の許へ行き──。捕らわれの身になろう。
そして敵である王の寝所で。王を油断させて殺すのも良いかも知れぬ~。
まあ、その後は儂自身、いくら敵の王の殺害目的であろうとも。我が主以外の男性(もの)に肢体を触らせるのだから。自害をして果てるつもりでいる。
でッ、ないと。今迄放置を続けた夫に対して面目が立たないから。儂は必ず自害して果てる。
まあ、それまでの演技だと思い。この場は勇者に観念をして捉えられることにする。
まあ、そんな色々な計略を思案しながら、勇者の許へと急ぎ足──。
と、いうよりも?
儂は空中を飛行しながら勇者の許へと向かう。
「きゃぁあああ~」
またまた儂の可愛い娘の絶叫が聞こえてきたのだ。
だから儂は、自身の顔色を変える。
そして勇者へと怒号を放とうと試みるのだよ。
「先程儂と交わした約束が違うではないかぁあああ~」と。
まあ、そういった訳なので、儂は慌てふためきながら声のする方へと視線を変える。
我が娘が無事かどうかを確認するために。
すると我が娘は、地上へと落下──。
命の方はあるのか? ないのか?
遠目からではあるのだが。儂は、自身の紅の瞳を使用して注意深く。落下していく娘を観察してみると。
どうやら、娘の命は大丈夫そうだよ。
う~ん、どうやら、勇者は、儂との約束を守り、娘を解放してくれたみたいだ。
だから勇者が敵であろうとも『ありがとう~』と、感謝の言葉を告げたいが。今はそれどころではない。
取り敢えず儂は勇者の許へと行かねばならぬ。
まあ、こんなことを多々脳裏で思案をしていると勇者の許へと辿り着く。
だから先ず儂は勇者に、「娘の件は、ありがとう~。心から礼を言う。本当にありがとう御座いました~」と、儂は勇者に対して、心から正しく礼を述べた。
でッ、その後は、「娘を助けてもらって、本当に済まないと思っているのだが。少々悪いのだが~。儂と一緒に冥府へと旅立ってもらえぬかのぉ~」と、勇者……。
いや彼女に告げながら。儂は、勇者と呼ばれる女性へと抱きつき──。
そのまま魔力を最大に開放──。異世界ゲートをまた開くのだよ。
でッ、開きながら。我が娘に伝える。
「ルシファー! お主の父は異世界で生きている~。もしも~? この先~。ルシファーが異世界ゲート開く魔力が使えるようになれば~。異世界へと父を訊ねていくといい~。そして父に伝えて欲しい~。母が済まなかったと~。そして今でもあなたのことをあいしていると~。父に伝えて欲しい~。ルシファー」
儂はこんな感じの、絶叫交じりの台詞を娘に伝え、嘆願をすると。
自身の産まれ育った世界から消滅をしたのだ。
この世界で、勇者と呼ばれた少女と共にね。
◇◇◇◇◇
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