第12話 魔王と勇者の関係……(7)

 う~ん、でも~? そんなことを勇者につげれば憤怒──。すぐさま我が娘を、自身の持つ聖剣の刃にかける恐れがあるのに。


 我が娘は後先考えずに、勇者へと勇んだ台詞を告げてしまった。


 だから儂はどうしよう~?


 このまま我が娘が他界をするようならば、別の世界にいる殿に対して、儂は申し訳が立たぬ……。


 また儂はそう思うと?


 自分自身に瞬時に思案をしろ~。今直ぐに~。


 儂が勇者と娘が居る場所に詰め寄るまでに、良い案を思案しろ!


 と、儂は自分自身に言い聞かせる。


 すると直ぐに儂は、女王としては最低の安……下策と言う物が思い浮かんだのだよ。


 だから儂は、下策であろうとも、姫の命とは代えられないから。この案を採用することに決めたのだ。


 儂の女王としての地位よりも。我が娘の命の方が大事だからなぁ~。


 と、いうことで。儂は勇者へと口を開く事に決めた。


「勇者~。儂は降伏する~。この身を、お主の仕える王に捧げる~。そうして性玩具として尽くすから~。我が娘だけは許し解放をしてくれ~。お願いだから~」

 と、勇者に降伏の受け入れと嘆願……娘の命だけは助けて欲しいと許しを乞うのだ。


「お、お母さま~。あ、貴女は、何を言っているのですか~。そんな粗相もない……。女も武器にして、敵国の王の許しを乞おうなんて~。妾は~。絶対に認めませんし~。許しもしません~。そんなことよりも~。妾の命を犠牲にして、この国を救ってください~。女王陛下~」と。


 我が娘は、儂が女を武器にして、二人の命乞いを勇者にした行為を、いいとは思わない。


 それに許さないと、母である儂へと怒号を放ち──。考え直してくれと嘆願までしてきたのだが。


 儂は、姫の母親なのだよ。


 だから自分自身の身がどうなろうとも、娘の命は守らないといけぬから。


 姫が儂へと放った怒号と嘆願は無視……。二人に詰め寄りながら。


「勇者~。幼い娘の言っている言葉は無視してくれていい~。儂はとにかく生きながらいたいのだ~。だからお主の仕える王の、性玩具(おもちゃ)になろうとも気にはしない~。だから儂と娘の命を救って欲しい~。お願いだよ~。勇者~」


 儂は勇者に対して今度は、今にも泣きそうな声色で嘆願をして許しを乞おうとしたのだ。



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