第17話 封印した術技
ラークからどんなアドバイスがもらえるのか?
「ラーク、お前ならどうやってスターズを倒す」
リュードの期待に満ちた眼がラークに向けられる。
・・・果たして?
「・・・分かんねぇな」
なんと、ラークとスターズに勝っているにも関わらず、スターズ打倒の攻略は分からないという。何とも意外な答えだ。
どういうことだろうか?『人に方法を求めるな。自分で考えろ』ということだろうか?リュードは更にラークに問いかけてみた。
「4年前のアイツと今のアイツはレベルが段違いだ。4年前も俺が奴に勝てたのはマジで紙一重で、あの時もどっちが勝ってもおかしくないぐらい奴は強かったけど・・」
更にラークはリビングのテーブルに置いてあるリモコンを手に一度見終えたDVDを巻き戻す。
画面にはルスランが槍斧をバネにして上空へ跳び上がるシーンが映し出される。
「この時も、上に跳んだルスランを追いかけてないだろ?4年前のスターズならジャンピングアッパーでルスランに追撃してたかもしれねぇ。でも追いかけなかった。使う技も絞られてて、4年前と違って、スターズはジャンピングアッパーや回転蹴りみたいな、跳び上がったり相手に背を向けるような技を全く使わなくなった。ジャンピングアッパーも回転蹴りも、破壊力はあるけど、相手に避けられると、その分隙が大きくなる」
「なるほど・・確かにそうだな」
「そして使う技が減った分、基本的な技のキレと威力が上がってるな。構えも半身に構えながらしっかり相手を見ている」
ラークの見解では、スターズの攻撃は、基本こそが奥義だという。
確かに、スターズの攻撃はどれも無駄な動きがなく、更にスピードとパワーが備わっていて、相手の体力を確実に削っていくような攻撃ばかりにも見える。
「俺がスターズに勝てたのは奴のジャンピングアッパーを避けた所に針の穴を通す隙が出来たから勝てたようなもんだ。もし俺がもう一度スターズと闘って、勝てって言われても、無理だろうな・・。俺が奴のことで話せるのはこれぐらいだな。以上」
「・・・・・」
ラークの話を聞き終え、リュードは複雑な表情を浮かべている。
なぜ?スターズに対する良い戦法を彼の口から得られなかったから?
いや、そうではない。
「ラーク、お前少し変わったな。前はもっと自信たっぷりで、自分より強い奴がいればいるほど熱くなる奴だったのにな・・・」
リュードは今のラークの口からは前みたいな闘志や熱意がほとんど感じられない姿に、少なからず違和感を覚えていた・・。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます