第8話 背水の陣ゼノス!行け!世界大会!②

お互いの意地と意地のぶつかり合いが続く死闘、どちらが勝つのであろうか?


ミラルゴが攻撃を繰り出し、そのうち終わりにゼノスは攻撃を返す。

更にミラルゴの攻撃が増していくという展開が続いていき、


20分の試合時間も残り『5分』となる。


両者共に滝のような汗を流し、決勝トーナメント戦へ出場することの過酷さを物語っていた。


「地走拳(ちそうけん)!」

両者見合っていて、少し距離が離れた所にミラルゴのアッパーからの衝撃波が繰り出され、

ゼノスはサイドステップで避け、ミラルゴとの距離を詰める。


「死神の鎌(サイス)!!」

出た!リュードも得意としているボディブローがミラルゴの肝臓に突き刺さる。


・・・が、ミラルゴはあまり効いていないようで、そのままゼノスに近づいてくる。

だが次の瞬間!

「首狩り(くびかり)!!」


ゼノスの最初のボディブローによってガードが下がったところにゼノスの狙いすましたハイキックが見事ミラルゴの顔面を直撃!!


バシーン!!という激しい音と共に、ミラルゴは弾き飛ばされる!

今のは良いハイキックだった!実況席のムツキとマイケル、そしてリュードも疑いようのないクリーンヒットだったようだ。


・・・どうだ、倒れたか!?


・・・いや!ミラルゴは倒れるどころか、不敵な笑みで腕を横に振って『効いてない』とアピールし、


「幻竜拳(げんりゅうけん)!」


一瞬のうちに間合いを詰めて右ストレートで反撃し、ゼノスは間一髪ガードする!


「連弾撃(れんだんげき)!!」


再びミラルゴがパンチの連打を繰り出し、ゼノスも・・


「連弾撃(れんだんげき)!!」


連弾撃の応酬とでも言うべきか、ゼノスも攻撃を返していく・・が

「百裂観音破(ひゃくれつかんのんは)!!」

それをさせまいとミラルゴの追撃が激しい!


「アトラス大陸の選手は打たれ強いんですよねえ・・さっきのゼノスのハイキックもドンピシャのタイミングで当たったんですが、全然後ろへ引かないですね」

解説をしていたムツキもミラルゴの気迫とタフネスに白旗を挙げた様子だ。


「・・・(元々のゼノスの持ち味は素早い出入りと連打だ。でも、相手のハンドスピードとタフネスがゼノス以上だから、ゼノスの持ち味が殺されているんだ。だから相手の打ち終わりを狙うしかない。・・・ゼノスからしたら実に嫌な相手だ・・本当に相性が悪い)」

リュードが静かにこの戦いを分析していた。


「幻竜拳(げんりゅうけん)!」

少しでも距離が空くとすぐに追い打ちをかけてくるミラルゴ。

・・・だが

ゼノス「旋回脚(せんかいきゃく)!」

ゼノスは軽やかな足さばきでミラルゴの攻撃を空振りさせる。


「百裂観音破(ひゃくれつかんのんは)!!」

ミラルゴの得意技とでも言うべきか、パンチから蹴りに繋げてくるコンビネーション!

「旋回脚(せんかいきゃく)・・・地走拳(ちそうけん)!」

ゼノスは再び足さばきで大きく後ろへ下がると、地を這う衝撃波をミラルゴに直撃させた。

「ブハッ」

ゼノスの放った衝撃波を受け、ミラルゴは一瞬のけぞったが、

「幻竜拳(げんりゅうけん)!」

再びゼノスに向かって右ストレートを放った!

「旋回脚(せんかいきゃく)・・真空蹴(しんくうしゅう)!」

ミラルゴの右ストレートをバックステップで避け、ゼノスはミラルゴがストレートを放った時に空いた脇腹にミドルキックを放った!

ミラルゴは少し効いたのか、体がくの字に曲がった。


その様子を見ていたリュード

「・・・(ん?今のミドル効いたぞ)」


・・・しかし

「百裂観音破(ひゃくれつかんのんは)!!」

再びミラルゴ怒涛の攻撃が襲い掛かり、ゼノスはガードを固めて耐えしのぐ。

そしてミラルゴの連続攻撃の隙をかいくぐり、

「死神の鎌(サイス)!顎砕き(あごくだき)!!」

ゼノスは至近距離でミラルゴの僅かな隙を付き、ボディブローから顎砕きという右アッパーをミラルゴの顎に打ち込み、ミラルゴの顎がグンッと上がった!


「後半になってミラルゴ選手は手数は減りませんし、気合いも凄いんですが、ゼノスは効果的な良い攻撃出してますよ」

実況席のムツキはゼノスの方が後半は適格だと指摘する。

確かにゼノスの攻撃でミラルゴが下がる場面が多くなってきた。


「地走拳(ちそうけん)!」

そして距離が空けばゼノスの地を這う衝撃波がミラルゴに襲い掛かる。


・・・しかし!

「百裂観音破(ひゃくれつかんのんは)!!」

ミラルゴのスタミナは無尽蔵か!?あれだけ打ち続けてもまだ素早い連打を放ってきて、避ける余裕が無い時はゼノスはガードで耐えしのぐ。


そして・・・


ストーーーーーップ!!!


20分間にも渡る二人の激しい死闘の末、お互い1度もダウンすることなく、立ち続けていたため、

勝負の行方は判定に委ねられることとなった。

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