第7話 背水の陣ゼノス!行け!世界大会!

ゼノスとミラルゴの今後の命運をかけた闘いが今始まった。


「真空蹴(しんくうしゅう)」

まずはミラルゴが小手調べに太ももを狙ったローキックからミドルキックを軽く放ち、

「落鷹鐘(らくようしょう)!」

踵落としをゼノスに向かって放ち、ゼノスはスッと後ろへ下がり、ミラルゴの攻撃を避ける。

しかし、ミラルゴの攻撃は続く。軽くて遅めのローキックを何発か蹴ったのち・・

「首狩り(くびかり)!!」

いきなり素早い神速のハイキックがゼノスの顔面を襲い、ゼノスのガードの隙間を通り抜け、ゼノスの頬をかすめる。

ゼノスはミラルゴの今のハイキックを腕で掴もうとしたが、失敗。

ゼノスは逆にローキックをカウンターで返す。

一瞬ゼノスとミラルゴの距離が離れると・・

「地流拳(ちりゅうけん)!」

ミラルゴが一瞬の拳の溜めからアッパーを繰り出し、その軌道上に地を這う衝撃波が繰り出され、ゼノスはガードを固めて衝撃波を防いだ。

・・・だが、ミラルゴの追撃は続く!

「幻竜拳(げんりゅうけん)!百裂観音破(ひゃくれつかんのんは)!!」

鋭い踏み込みから右ストレートを放つ幻竜拳で距離を詰め、高速のスピードで左右のパンチを交互に繰り出す連打から、トドメはハイキックにつなぐコンビネーションを繰り出した!

ゼノスは相手のクリーンヒットを許すまいと、再びガードを固め、ミラルゴの素早い攻撃を耐えしのぐ。


「ミラルゴ選手良いですね、ナイスコンビネーションです!」


実況席はミラルゴの素晴らしき連続攻撃を称える。

・・・が、ゼノスは圧力をかけるように今度は自分からミラルゴに向かって距離を詰める。

「幻竜拳(げんりゅうけん)!」

ゼノスは神速の右ストレートを放ち、ミラルゴを下がらせるとすかさずミドルキックを腕に向かって放った!

バシィ!

バットで殴られたような音が会場にこだまする。

そして・・

「連弾撃(れんだんげき)!」

ここは効果的に攻めていきたいゼノス。前の試合でリュードが放ったパンチのコンビネーションを繰り出そうとする!

・・・しかし!

「百裂観音破(ひゃくれつかんのんは)!!」

ゼノスがパンチの連打を打とうとすると、それを冷静にガードし、カウンターで逆にミラルゴがパンチの連打を放ち、またもやハイキックに繋げてきた!


ゼノスは再びガードを固める。

「真空蹴(しんくうしゅう)!」

バシィ!


さすがにガードを固めてばかりでは観る人にとっても印象も悪いだけでなく、自分のペースに持ち込めないため、ゼノスは再び強烈なミドルキックを放った。


実況席も次第に白熱してくる。

「いやームツキさん、ミラルゴ選手の手数と闘志、そしてコンビネーション素晴らしいですね」

「はい、でもゼノス選手もさすがディフェンスは上手くてガードは固いですね。そして今のミドルキックも最短距離で効果的な角度で蹴ってますよ」


「百裂観音破(ひゃくれつかんのんは)!!」


またもや怒涛の連続攻撃を使ってくるミラルゴ!

ゼノスは相手の打ち終わりに蹴りを返し、徐々に相手の攻撃に合わせてカウンターを打ち込んでいく。


ゼノスはミラルゴの攻撃にカウンターを打ち込んでいく作戦だろうか?


しかし、今まで冷静にその試合を見てきたリュードは首をひねっていた。


「・・・(カウンターを打ち込んでいく作戦?いや、作戦ではないな。カウンターを狙わざるを得ない状況になっているんだ)」


これはどういうことであろうか?


・・・第8話につづく

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