Titan〜地球へのメッセージ〜

山ノ下 真吾

Episode1, Origin〜起源〜

私の名はサハン、この地に生まれこの地で育った



他の星の環境がどうなのかは分からない



この星の環境は科学.生物学的に捉えて、生命が存在出来得る数値がとても低い



それはこの星が宇宙温度単位Mzに換算すると-290Mz(摂氏-179度)だからだ。



我らNobleは高い知識を活かし、高度な技術を駆使しこの環境下で生きながらえる事ができていた


大気の主成分は窒素 (97%) とメタン (2%) である

この厚い大気の役割もあり、メタンの雨が降り、水も確保できている



地表での生活は我々でも困難を極める為、地下国家を築き各コミュニティー毎に独自文化を辿っている



我々はNobleの中でも西に位置する種族でサテハという



戦いは好まず、科学と種族の繁栄に力を注いできた

しかし最近になり、種族長が暗殺されその黒幕である軍部が実権を握ると一変してしまった



Nobleは5種族があり

東のラテ

西のサテハ

南のコナ

北のゼロン

中央のセントラ


に分かれていた



我々は種族境界線を厚い壁で覆い、両極の指示と開閉弁の同時作業が無い限りは厚く閉ざされたままであった

唯一セントラの種族のみ四方に移動ができるシステムがあり、その特権からして最高位の種族と捉えている



しかし、なぜ私がこの様な推測で話しているかというと種族長以外誰もセントラの者を見たもがいないのであった



種族長が頑なに軍部(種族間警備兵)にこのセントラの情報を開示しない事に、警備警戒の観点から軍は内紛を起こしたのだった



この内紛は両極端な見解だった

なぜならばセントラの者は攻めてこようと思えば一方的に攻める事ができる

しかしセントラ以外は守備防衛しかできず攻める事も愚か、追撃すらできない状況だった



それに相まってこの武力を好まない種族感性が災いし、軍人が少なく、守備防衛には常に警備兵、軍事費が費やされ軍人は疲弊し、軍部は防衛費が高いと叩かれ、軍事費が削減されていく一方であった



この事からサテハの者は内紛後実権が軍部に移った後にも、さらに種族の中で分裂し西サテハと東サテハに種族が別れたのだった



西の西。最果ての地に科学力と知識で統治する西サテハ、その東には軍主導の武の東サテハ。



客観的に見てすぐに西が制圧されてしまうと思うが、交渉においてはサテハの知識人と科学者には軍部も勝てず、最先端の防衛兵器と現段階での兵器資料の交換で交渉は成立




そしてここに数日で新たに厚い壁ができたのであった




そして私の今が始まる、西の最果て、このサテハの地から

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