第2話 1.ハロウィンパーティ!
がやがやがや。
時刻は19時まであと約10分ほど。
私はハロウィンパーティが開催されるパルステント学園の校内に来ていた。さすがに女子校に男子は入れられないらしい。
隣には小悪魔の仮装をしたベリーがいる。私はというと、ベリーに借りた魔女の仮装にも見える、動きやすくスカート丈の短いドレスを着ていた。
「これ、すごくかわいい。気に入った」
「ふふん」
ベリーは上機嫌そうに笑った。
ところで、パルステント学園だが、ルーデルシャス学園に負けず劣らず部屋のあちこちに豪華な装飾が施されている。
私たちは今、ダンスホールに集約されているのだが、とにかく広い。
校内に入ってすぐのところに、
そしてそこを昇るとここ、ダンスホールに着くことができるのだ。
ホールは吹き抜けになっており、3階部分には廊下と、内向きのバルコニーがある。今いる2階部分からは大きめのガラス製の扉から外にでることができる。
そこには屋根は付いていないが、1階(外)に降りる階段が付いていた。
ホール内の端の方には豪華な食事の数々が用意してあり、みんな自由に楽しんでいるようだ。
「あら、ベリー、
「ええ、そうよ」
「セクシーでいいわね。あなたによく似合っているわ」
「ふふ、ありがとう。ルーシーは猫?」
「そうよ、にゃーお」
ルーシーがそれと同時に顔の前で猫の手のポーズをする。
「相変わらずルーシーはかわいいね」
「…っふ、ベリー、あなたって人はいけない人ね」
「…どういうこと?」
私はルーシーと顔を見合わせる。
直後、2人でやれやれという顔をした。考えてることはどうやら同じらしい。素直さでは誰もベリーに勝てない。
そういえば、何かを恥じているところなど見たことがない。
ベリーに恋人ができたらどんな反応をするのだろう。
「2人とも何、はっきり言って?」
「ベリーがかわいいねって話」
ベリーには何を言っても無駄なので、私はそれらしい言葉を投げる。
「…そ?ならいっか」
さすがの返答を残し、ベリーは私とともにその場を離れた。
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