第1話 3.

「皆ー、席についてー」


クラスの先生がそう言うと皆素直にそれに従った。パーティについての詳細を皆聞きたくてしょうがないのだ。


「えー、校長先生から言付かっているハロウィンパーティの詳細ですが、まずは日時ね。10月31日18時30分開場、19時開始、23時終了です。


それから、服装は自由です。仮装するも良し、ドレスを着るも良し、会場には広めの更衣室があるから、そこで何回か着替えをするのもOK。


お菓子の持ち込みは一応許可されてるけど、豪華なお料理、スイーツから個包装された軽めのお菓子までたくさんの食べ物が用意されているから、まあ先生は持ってく必要はないんじゃないかなと思います。


えーと、あとはコンテストか」


先生は各クラス担任に渡されたらしい書類に目を通して呟いた。


「コンテストについてだけど、Ms.ルーデルシャスとMr.パルステント決めのやつとベストカップリングコンテストみたいなのがあるらしいです。


ミス・ミスターコンの参加立候補者は後で先生に言ってね。


2つ目のやつはどうやらお似合いの2人を当日その場で推薦して決めるやつらしいから、彼氏いない人でもチャンスあるよ!


あ、優勝者とか他とか豪華賞品があるからみんな奮って参加してね!」


これを聞いて皆そわそわし始めた。


「ねえ、出る? ミスコン」

「えー 自信ないよー」


「どうする、どうする?」

「私は出ない」


「うんうん、まあ後はルールを守って安全に楽しんでね。はい、今日の連絡は以上かな! 解散!」



パーティについての詳細を聞けて、皆満足した様子で話している。


「楓、服、どうする?」


私もベリーに聞かれてさっきまで悩んでいたことを思い出す。


「うーん、どうしよう…ベリーは?」

「私は仮装とドレス2着かな」

「着替えるなぁ」

「まぁね、1着貸そうか?ドレスならたくさん持ってるよ」


さすが、ベリーはお嬢様だ。結構有名な、ご身分の高いお家柄なのだ。


「あっ、そうだ! じゃあ、魔女っぽいドレスを1着貸して! 」


「いいよ、着替えるのがめんどくさい楓さんにこのベリー様が素敵な1着を貸してさしあげよう」


「ありがと」


得意げに言うベリーに素直にお礼を言う。


「”着替えるのがめんどくさい”は余計だけどね」

「あれ?図星でしょ?」

「まぁね」


クスクスと笑うベリーを見てこっちも笑う。


さて、ハロウィン当日が楽しみだ。

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