第2話 自己紹介
村へ戻る途中俺は大事なことに気づく。
「てか俺たち自己紹介してなくね。」
いや〜、こんな美しい子に出会ったんだもん。
名前ぐらい知っとかないと。
チラッと、少女のことを見る。
身長は160㎝ぐらい。
細身の筋肉質。これだけ体がしまっているんだ。相当な訓練を積んできたにちがいない。
「俺はリヒト・ユーギーナ。歳は16歳、
彼女は、少し目を見開く。
まぁ驚くのも無理もない。
なんたってあの
『んで、私が光の精霊シュテル。リヒトの相棒でリヒトの剣。リヒトと出会って2年ってところかしら。』
ここで少し説明しよう。
この世界は精霊と共存することで成り立っている。
火、水、草、地、光、そして闇。
人間界と精霊界は古きから盟約を結び、精霊に害を与えない代わりに、人間に生活を営むための恩恵をもたらす。
火をおこしたり、雨が降って川ができたりするのは、その恩恵のおかげである。
ただ、精霊たちは恩恵を与えるだけで人間界に関わろうとしない。
精霊の力を使えるのはごく一部の人間のみだが、精霊と契りを結び、剣に憑依させ力を奮う
「そうあなたもなのね……。私はシュリーテ。シュリでいいわ。15よ。」
年下だったのか!
いや、美しいけど、よく見るとかわいいんだよな。
ふとある疑問が、浮かぶ。
「そういやぁさ、俺を助けてくれたとき、シュリが投げた短剣、炎に包まれてたじゃん?あれどいうこと」
「うん?あぁ、あれね。あれは、」
『おれの力だよ!!』
鳥がしゃべった!!
どこからわいてでてきやがった?
「なんだ、こいつ!?」」
『こいつとは失礼なやつだな。ずっとシュリの肩にのってたのに。』
あぁいたような、いなかったような……
『シュリもひどいぜ。ずっとおれを無視するだもん。』
「ごめん、ごめん。」
どういうこと?
シュリのペット?
「このこはパルト。私の精霊。」
うん?てことはもしかして?
「シュリって
「うん……まぁそんな感じ。」
うおーい、まじかよ。
最初からただ者ではないとは思っていたけど、まさか同業者だとは。
「パルトって精霊で動物の姿をしているから……高位精霊?」
『そうだ!おれは焔精霊。』
ぶったまげー!!
まさかの高位精霊!
高位精霊と契りを結んでいる、
俺のシュテルは低位精霊。
精霊は基本的には人間界に干渉してこない。
精霊界が人間界に恩恵を与えてくれるおかげで俺たちは火や水などを使えるわけだが、シュテルのような低位精霊は、その恩恵がもたらした力が集まり発生した、精霊である。
つまり、低位精霊は厳密にいうと精霊界の精霊ではない。
人間界にある力の集まった精霊なのだから、もちろん力は強い。
だが、力の集まりに自我と肉体が生えた?ようなものだから、その力本来の精霊には程遠い。
その証拠に人間でも契りを結び、剣に憑依させられる。
それに引き換え、高位精霊つまり動物型の精霊は精霊界出身の精霊である。
高位精霊なんて普通の人間には契りことさえできない。
そのくらい、高位精霊は、強い。
それゆえ、高位精霊が人間界に来るときは、力のほとんどを精霊界に置いてこなければならない。
まぁ、高位精霊が人間界にくることはほとんどないが……
そんな高位精霊と契りを結んでいる、
その一人に出会うなんて!
「シュリって何者?」
俺の頭に疑問がたくさんでてくる。
『きゃあ〜!!高位精霊に会えるなんて!!すごい!!かっこいい!!』
『おれがかっこいいだと……!お前見る目があるな!!よしおれの弟子にしよう!!』
『本当に!?やったー!よろしくおねがいします!パルトさん!!!』
俺が悩んでいることをよそに二匹の精霊たちは盛り上がる。
ハァ〜、人が必死に悩んでいるのに。
『でも、パルトさんの力を全然感じなかったんですけど……』
確かに、シュテルが近くにいながらパルトの力に気づかなかったのはおかしい。
「あぁ、今パルトは力がまったくない。ただの鳥。」
『ただの鳥ってひどいなあ。でも、短剣に炎をまとわせるぐらいはできるぜ!!』
俺はますますわからなくなった。
高位精霊なのにただの鳥?
『これにはわけがある。』
うーんいまいちわかんないけどいっか。
さーてそろそろ村に着きますぜ。
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