表現者
ことばはナイフ
切っ先は容赦なくぼくの
喉をえぐる
開かれたぼくの喉は
頭のわるい単語しかこぼさない
赤といっしょに散らばった
▽
今日たべたお弁当に
ポテトサラダが入ってたとき
いつもより調子がいいなって
思ったとき
ぼくたちは「嬉しい」以外の
ことばを使えるのかな
朝起きたら時間がぜんぜん
なかったとき
知らない人にぶつかって
謝ったのに怒られたとき
ぼくたちは「さいあくだ」以外の
ことばを持ち合わせているのかな
▽
なんで、感情でしかものを
語ることができないんだろう
(あなたは空の色を触ることができる。
海のにおいを聞くことができる。
木々のざわめきを目にして、
大地の悲鳴と会話をすることもできる。)
なんで、人の心が
わからないのかな
(ぼくたちは誰もが表現者である。
すべての人が誰かと熱を分け合っている。
どうしたって世界は表現であふれる。)
ぼくたちはどうやったって
ひとつだから
孤独とはいちばんの
ともだちだから
△
抱いて眠ろうね
心臓にナイフを突き刺して
抜かずに大事にあたためて
骨になるときに
誰かが拾ってくれるまで
だいじに、だいじに
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