お前の母ちゃんハムスター

こんにちは僕はハムスターのジジ。もちろん兄弟たちもハムスター、母さん父さんもハムスターだ。そして今日も僕はノリノリでロックを歌いながらランドセルをしょって学校へ出かける。


「なあ、お前の母ちゃんハムスターなんだってな」


クラスの悪い奴に突然絡まれた。

目立つようなことは何もしてないし、何の心当たりもなかった僕は恐怖に震えた。


「毎日どんぐりでも食ってますってかあ?」


それはハムスターじゃない、たぶんげっ歯類のどれかだとは思うが断じてそんなことはない。


「ハムスターの何が悪いっていうんだ!毎日向日葵の種を食ってることの何が悪いって言うんだ!」


僕は殴りかかった。僕の拳がクラスの悪い奴の顔面に直撃するとちょっとした騒ぎとなった。保健室に担ぎ込まれて僕は意識を取り戻した。そうするとクラスの悪い奴が罰のわるい顔をしてかなしそうに顔を覗き込んでいた。


「悪かったな、実はオレの母ちゃんモルモットなんだ…」



秋の夕暮れは少し寒かった。

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