サイコパス遠山

金さん。誰が最初にオレのことをそう呼び出したのか、今の俺には理解できそうもない。銀さんといわれようが銅さんといわれようが、俺には関係のない話だ。

これはオレの苗字のせいらしいと気づいたのは一昨日のことだった。

サイコパス遠山は、テレビを見ることをしないのだ。なにせN○Kに受信料を払っていない。つまり俺の生活はネットだけ、恐ろしいN○Kの集金を華麗にかわしているせいで俺はインターホン恐怖症になってしまいそうだった。これはサイコパス遠山には似つかわしくないビビリ具合であった。誰が言い出したのか、オレのあだ名はサイコパスだ。いや、正式にはサイコパス遠山までが俺のあだ名だ。良心のかけらもないという意味であることはなんとなく承知している、これは昨年のバレンタインデーに一義理チョコすらもらえなかった俺がクラス1の伊達男はじめ君を気を失うまで殴り、病院送りにしてしまい、それ以来おれのあだ名になってしまったということならいいと思っている。

本当のあだ名はライヤー(嘘つき)遠山。

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