当日
シュンの誕生日。
朝、リョウタロウとソウヤが校門前でシュンが来るのを待っていると前方からシュンがやって来た。
その瞬間…
ーパァンッ!!ー
「うぉ!?ビックリしたーっ!!」
リョウタロウがクラッカーを鳴らしたのだ。
それにはソウヤも知らなかった様子で怒鳴り散らす。
「お前は何しとんじゃボケィ!」
「え、折角シュンの誕生日だし盛り上げようかと」
「迷惑以外の何ものでもねぇよ!」
周りに人だかりができた。
「シュン驚いたか?ん?ん?」
「驚いたよりも心臓飛び出そうになったわ!寿命縮むわ!」
期待に満ちた目でシュンを見つめるリョウタロウに胸を押えながら答えるシュン。
「サプライズ成功!」
「「そんなサプライズいらん!!」」
ソウヤもシュンと一緒になって言う。
そこで思い出しようにリョウタロウが口を開いた。
「そうそう、シュン!これ受け取ってくれ!!俺とソウヤでプレゼント選んだんだぜ!手ぇ出してくれ!」
と、鞄から何かを取り出してシュンの手の上に乗せた。
それは…
「……なんなんこれ…」
リボンで飾られた小さなカーネルサンダースの人形だった。
ソウヤが申し訳なさそうに一言。
「悪ぃ…止めらんなかった…」
そんなソウヤを尻目にリョウタロウが。
「ホントはケンタッキーに置いてあるカーネルちゃんあげたかったんだけどよー、お巡りさんに止められたからその代わり!」
「俺にもしわ寄せが来たがな…」
「ソウヤ君、心中お察しするわ…」
ポツリと呟くソウヤに何かを察したシュン。
「このカーネルちゃん可愛いだろ!大事にしてくれよ!」
「あ、ありがとう…?」
「毎日キスすんだぞ?」
「する訳ないやろが!」
珍しくシュンからのツッコミが入った。
「シュン、コイツに何言っても無駄だ…」
「せやな…」
シュンは思った。
貰ったのは良いが、飾るべきかどうするべきかを。
こうしてシュンにとっては複雑な誕生日が終わったのであった。
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