通報再び
シュンの誕生日の前日、プレゼントを選ぶ為にソウヤはリョウタロウと待ち合わせをしていた。
…が。
いくら待ってもリョウタロウが来ない。
ソウヤはスマホを取り出しリョウタロウのスマホに電話をかけた。
ープルルルルー
すると…
「もしもしリョウタロウ!お前何して」
「あ、もしかしてソウヤ君?」
「…へ?」
リョウタロウとは別の男性の声が電話口から聴こえた。
「ほら、この前の警察の者だけど。丁度良かった!悪いんだけどまた駅前に来て貰えないかな」
「はぁ…分かりました」
またか…アイツは何してんだ一体と思いながら駅前に向かう。
着いた先にはケンタッキーの前にいる数人の警察官と民衆、そして例の問題児が1人。
ソウヤが近付くと警察官が寄ってきてこう言った。
「ソウヤ君ごめんねー、あの子またカーネルサンダースの人形にしがみついたまま離れないんだよ。僕達がいくら言っても聞かなくてね、困ってたとこだったんだ」
「…はぁ…すみません、すぐ退かせます」
ソウヤはそう言ってリョウタロウに近付きグーで思いっ切り頭を叩き怒鳴る。
「てめぇはいい加減にしろよ!人様に迷惑かけんなってどんだけ言えば済むんだ!!」
「だってー!」
「だってじゃねぇ!離れろこの変態魔!」
「いーやーだー!シュンの誕生日プレゼントにするんだもーん!」
「もーんじゃない!そんなもんシュンが喜ぶか馬鹿野郎が!」
無理矢理カーネルサンダースの人形から離そうとするソウヤと、意地でも離れようとしないリョウタロウ。
「俺は喜ぶ!」
「それはお前だけだ!!」
なんとかソウヤがリョウタロウをカーネルサンダースの人形から引き剥がす。
そして警察官に向かってソウヤが謝った。
「すみませんでした、コイツにはよーくお灸を据えとくんで」
「助かったよ、ありがとうソウヤ君!」
「あー!シュンのカーネルちゃんがぁー!」
「まだ言うか阿呆!ほらリョウタロウも謝れ」
「えー」
謝る気の全くないリョウタロウにお巡りさんが一言。
「リョウタロウくん、君、次通報されたら逮捕だからね?」
「あの時のお兄さん!やっぱイケメンだね!俺と付き合っグハッ!!」
リョウタロウの鳩尾に拳を入れたソウヤ。
「お巡りさんにも盛んな万年発情期!お巡りさんもうコイツ逮捕して良いですよ」
「ハハ…」
なんとも言えないお巡りさん。
リョウタロウは鳩尾にパンチ食らってまだ悶えているが、なんだかんだでことは済んだ。
どこまでもリョウタロウは人騒がせな奴だ。
そしてシュンの誕生日プレゼントはいかに…
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