お泊まり会(後編)

リョウタロウの部屋。


結局リョウタロウは何も食べさせて貰えなかった。


「うー…腹減ったよぅ…」


「アレはリョウタロウが悪い」


「せやで」


「そんなぁー!」


ーコンコンー


リョウタロウが泣き言を言っていると部屋がノックされた。


扉を開けると部屋の中に向かってコケシみたいな顔したからくり人形がお茶を運んできた。


そしてその後ろで父親がグッと親指を立てている。


「父さん…!」


リョウタロウは感動した。


まぁソウヤとシュンは引いてるが。


リョウタロウはそのからくり人形からお茶を受け取り一口飲んでから一息つき空の湯のみをからくり人形に持たせ父親の元へと帰らせた 。


そしてドアを閉め。


「なんだかんだでもうこんな時間か、そろそろ寝ようぜ」


「ああ」


「せやな」


リョウタロウを真ん中に布団3人分引いて、右側にソウヤ、左側にシュンが寝転びおやすみと言い眠りについた。



ー朝ー


ソウヤが寝苦しさに目を覚ますと、リョウタロウはソウヤを抱き枕にして寝ていた。


「起きろバカリョウタロウ!!」


「ううーん…チューしてくれたら起きるぅ…」


「誰がするかこの発情野郎!」


ーゴッツン!ー


「あいったぁー!あれ?おはようソウヤ!」


「おはようじゃねぇ!おい、シュン起きろ」


「ん…なんや、もう朝か…」


「シュン、ちゃんと起きないとチューしちゃうぞ☆」


「朝から盛んなよ!」


「今ので一気に目ぇ覚めたわ!」


2人の怒鳴り声に母親がリョウタロウの部屋のドアを開けた。


「あら、もう起きてたの?早いわね、朝ご飯出来てるから食べて学校行きなさい」


「はーい!」


「「ありがとうございます、お世話になりました」」


こうして3人は着替え、朝ご飯を食べてからいつも通り学校へ行ったのだった。



その頃、リョウタロウの父は…


「寝過ごした…愛しの子達に行ってらっしゃいのチューが出来なかった…」


一人で体操座りして泣いていたのであった。


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