シュンの家


「今度の休み、俺ん家こうへん?」


シュンのその一言から始まった。


ソウヤとリョウタロウはシュンの家の玄関に着き、インターホンを鳴ら…


「リョウタロウ、連打はやめろよ?」


「…やっぱダメ?」


「ダメ」


即答だった。


ソウヤに言われ、仕方なくリョウタロウは渋々インターホンを1回鳴らす。


暫くしてゆっくりと玄関のドアが開かれる。


「あ、2人共よう来たな」


「これ、手土産のダンシングサンタさん!」


「怖っ!いらねぇ!」


リョウタロウの手土産は却下された。


「お前またダンシングサンタ買ったのか…俺はコレ」


「お!ゼリーだ!ありがとな!」


「なんでソウヤのは良いんだよぅ!」


「だってあれ普通に怖ぇし」


そう言うシュンに不服そうなリョウタロウ。


「まぁ、こんなとこで立ち話もなんやし中入ってぇや」


シュンがソウヤとリョウタロウを招き入れる。


「うわー!スゲー!ソファーフカフカ!」


「片付いてんな」


早速ソファーに飛び込むリョウタロウと綺麗な部屋に感心するソウヤ。


「いや、そんな事ないで…って、何してんねん!」


謙遜するシュンのベッドの下を探るリョウタロウ。


「だって男のベッドの下はロマンが待ってるだろ?」


「んな訳あるか!」


「シュンに限ってそれはないな」


「えー、つまんない」


「「つまんないもクソもあるかボケィ!」」


シンクロした。


「あ!ゲームある!シュン、マリオパーティやろうぜ!」


ベッドの下を諦めたリョウタロウはゲームを見付けてシュンに聞いた。


「切り替え早っ!ええけど…でも2人共飯食っとらんやろ?俺作っとくからソウヤ君リョウタロウ君とゲームしててや」


「良いのか?任せて」


「折角来てくれたんやし、腕振る舞うで。何が良い?」


「オムライス!」


「はいよー」


こうしてリョウタロウとソウヤがゲームしている間にシュンはオムライスを作るのであった。




ー30分後ー


「あー!また負けた!!」


「俺に勝つには早いな」


「2人共ー、オムライス出来たでー!」


ソウヤとリョウタロウがゲームに熱中してると、シュンから声が掛かった。


テーブルには3人分のふわとろオムライス。


そしてシーザーサラダも付いてきた。


とても美味そうだ。


しかもケチャップではなくちゃんとしたデミグラスソースがかかっている。

シーザーサラダもドレッシングは手作りだ。



「うおー!美味そ〜!」


「またハイスペックな」


「そんな事ないで?まぁとりあえず食べてみてや」


そのシュンの一言でリョウタロウとソウヤはゴクリと唾を飲み、一口くちに含む。



その瞬間、リョウタロウは頬を押さえソウヤは声にならない声を出す。


「何このオムライス!激うま!! 」


「…スゲーわ、シュン」


あまりの美味しさに2人共言葉にならない。


「そう言って貰えて嬉しいわ、シーザーサラダも食うてみ?」


「おぅ!いっただっきまー!うまっ!」


「反応早ない?」


「いや、このドレッシングマジ美味いわ、作り方教えて」


「別にええけど簡単やで?」


2人のやり取りに嫉妬したリョウタロウはこう言う。


「俺にも教えてくれ!」


「お前自分で作らないだろ」


「母さんに作ってもらう!」


「もうなんでもええわ…」


シュンはオムライスとシーザーサラダを食べ終えた食器を片付け呆れた様子で告げ、こうしてシュンのお家訪問は終わったのであった。




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