失恋


ピンポーン!ピンポンピンポンピンポン!


「あーうぜぇなそんなにインターホン鳴らすんじゃねぇリョウタロウ!」


インターホンを連打した為軽くキレ気味で玄関を開けるソウヤ。


「ソウヤ!逢いに来たよ!久しぶりマイハニー!」


「…お前毎日来てんじゃねぇか」


そう、俺は毎日かかさずソウヤと彼女(子猫・オス)に逢いに来てるのだ。


いつもの如くソウヤの家に上がり込んで彼女に近付く。


すると子猫は俺を無視してソウヤの足に擦り寄りながら、誰この人状態でソウヤの足の後ろに隠れて見つめた。


「マイハニー!俺よりソウヤが良いのか!?」


「にゃあぁん」


まるで返事をする様に鳴かれる。


「そんなぁ!嘘だと言ってくれマイハニー!」


「コイツはもう俺に懐いてるからリョウタロウの言い方で言うなら恋人だな」


意地悪く放たれた言葉を本音だと信じ込んだ俺は


「ソウヤのバカ!もう知らない!」


と半泣き状態で帰ろうとし、泣き顔で振り向いて一言。


「お幸せに!!」


と言ってソウヤの家を出た。


ソウヤは一瞬唖然とした後、


「勝手にコイツ押し付けたのアイツだろうが…」


とボソリと零したのであった。


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