新しい恋


子猫に別れを告げてから次の日、リョウタロウが学校に来ない。


今までそんな事なかったのに珍しくてソウヤはLINEでメッセージを送信するが既読にもならないし返事も返ってこない。


そのまま昼になった。


流石に昨日はやりすぎたかと思ってると、リョウタロウが何食わぬ顔で登校し俺の元へ駆け寄ってきた。


「ソーヤー!おはよう!」


「おはようじゃねぇよ!連絡もねぇしLINE送っても返ってこないし何してたんだ!」


リョウタロウはニヤリと笑いこう言った。


「ちょっと連れてきたいとこがあるから行くぞ!」


「は?ちょ、待てよ!どこ行く気…」


リョウタロウがソウヤの腕を引っ張り走り出し暫くして目的地に着く。


「ここ!俺さ、もうあの子猫のこと諦めて新しい恋人作ったんだ!」


ケロッとした様子で告げられジャーンと目の前の恋人らしき物をみてソウヤが一言。


「カーネルサンダースの人形じゃねぇか!!」


「ダンディーだろ?」


「そういう問題じゃねぇ!もう生き物ですらねぇよ!」


ソウヤの安定のツッコミ。


「もうすぐ閉店だから今日はここまでなんだけど、また逢いに来るからな!んー!」


そう言ってリョウタロウはカーネルサンダースの人形に抱きつきキスしようとした。


そこで店の人が出てきて怪訝そうな表情で見ている。


するとソウヤが


「すみません、コイツちょっと頭がアレなんで…すぐ退かせます」


と、店の人に謝りリョウタロウの首根っこをつまんでカーネルサンダースから離した。


「何すんだよ!まぁこれからは通い妻になるから良いけど!」


「やめろ!変態行為は家の中でやれ!」


「何、ソウヤ嫉妬か?」


「んな訳あるかど阿呆!帰るぞ!」


「んもぅ、つれないんだからー」


「勝手に言ってろ節操なし」


こうしてまたリョウタロウに恋人?が出来たのであった。


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