ケッコン


「そーやー!!」


「うるせぇ。んだよ遅刻変態魔神」


俺はモーレツに興奮していた。


鼻息を荒くしてソウヤを呼ぶ。


「聞いてくれ!俺、結婚する!」


「…は?寝言は寝て言え」


コイツ、冗談だと思ってるな?


「本気なんだって!プロポーズされた!」


ふふふ、どうだ羨ましいだろ!


俺的にはソウヤでも良かったんだけど、性別が一緒だしな?


「アナちゃんとか」


「アナちゃんは土へ還った!今度はちゃんとした人間なんだって!」


そう、俺もついに身を固める時が来たのさ!!


「へー」


「まずはソウヤに挨拶させないとと思ってな?連れてきたぜ! 」


「こんにちは!」


「………。なぁ、1つ良いか?」


「なんだ?」



「この子…」


そう言ってソウヤはしゃがんで俺の婚約者に視線を合わせた。


「おま…きみ、何歳?」


「みっちゅ!」


「…お名前は?」


「ちゃなちゃん!ひまわりぐみ!」


「…………」


どうだ、可愛いだろ!


ソウヤもこのサナちゃんにイチコロなのか言葉も出ないようだ。


するとソウヤが立ち上がって俺を見る。


そして…


「幼稚園児じゃねぇか馬鹿野郎!」


怒鳴られた。



「そんな歳なんて関係ないだろ?」


「犯罪だ!」


そうだっけ?


そんな中サナちゃんはソウヤを見上げて目を輝かせ一言。


「あなたかっちょいぃにょね!あたちとけっきょんちて!」


「えええー!サナちゃん俺との結婚は!?」


まさかのソウヤに結婚の申し込み。


「なかったことにちまちょう、あたちこのちとがいい!」


フラれた…


「そんなあぁー!!」



「…おい、俺はどうすりゃ良いんだ…」


「ソウヤ!俺の代わりにサナちゃんを幸せにしてやってくれ!!」


そう、俺はサナちゃんを諦める事に決めた。


後悔はしていない。


「だから犯罪だっつの!」


「お前になら取られても許せる!」


「話を聞け大バカ野郎!」


「ねぇねぇけっきょんはぁ?」


サナちゃんは俺とソウヤを交互に見て尋ねる。



…なぁ皆、恋って難しいな。



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