考査試験

こういう大きなお屋敷には執事とかメイドとか住み込んでいて、24時間365日ケアされていると思っていた、しかし実際には執事は居ないし家政婦さん達は土曜と日曜日はお休みだった

二階から階段を降りてリビングに近づくと複数の若い女性の声が聞こえた

「あっ、寛二君だ」

桜庭飛鳥が通りがかった俺を指差した

「もうすぐ考査か…」

「教えてよ寛二君」

「やだよ、なんで休日まで教師やらなきゃならないんだよ」

神楽には毎月考査試験がある、その出来によってA~Dまであるクラス分けや卒業後の進路にも影響がある、学年トップの里奈と2位の七瀬が同じAクラスに居る事からも学園側の本気が伺える

そんな考査試験前には七瀬が居るイケてるグループと里奈のマジメなグループ、総勢8人が家に泊まり込みで勉強会を行う

「ちょっと出掛けてくるわ」

「白センとデート?」

飛鳥の一言で場が沸いた

「ちげーよ、それよかちゃんと勉強しろよ」

俺はその場を立ち去った


彼女達が来ている時は面倒なのもあり部屋からあまり出ない、だからキッチンで七瀬と会った時に「珍しい」と言われたのも不思議ではなかった

「あのさ…寛二君…」

よくパーティーをするからか、この家のキッチンは業務用で結構広かった

「ん?」

「白センと付き合ってるの?」

俺は冷蔵庫から出そうとしたお茶のボトルを落としそうになった

「桜庭じゃあるまいし、お前までそんな事言うなよ」

「だって…噂になってるし…」

「真っ直ぐ帰ってるだろ?」

「分かんないじゃん、そんなの…」

「親が再婚して生意気だけど、まぁ素直な妹も出来て今は変化に慣れるのに精一杯で恋愛なんてする暇ないよ」

俺はお茶を飲み干すと新しくコップに注いで七瀬に渡した

「あんま夜更かしすんなよ?」

俺は自分の部屋に戻った

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青天の霹靂 @basswolf

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