小さい体に翼は生えた

真白 宙

第1話 輝きの1歩

僕は体格にも恵まれない、運動もあまり得意ではない、勉強もできない、特にかっこよくもない、何も取得のないほんとに凡人な奴なんだ。

何かしらの特技もないし、全てが普通だ。だけど、このスポーツに巡り会えてから僕は負けないものを手に入れたんだ。


「ただいま〜」

学校から帰宅した。家もごく普通の家系だ。

「おかえり拓永〜ご飯出来てるよ〜食べちゃって〜」

お母さんに言われる前に僕はご飯にがっついた。

今日のご飯はエビフライ、ご飯、サラダ、お味噌汁。

普通のご飯。けど母さんのご飯はひと味違うのだ。いつも具の中にはなにか入ってる


「今日はエビフライにオットットを入れたんだね笑」


母さんはよく分かったねと反応を起こし美味しく平らげた。テレビを見ているとなんらかのスポーツが中継されていた。


バレーボールだった。


そこに映っていたのは体格差で劣っているがテクニックを生かして外国人選手のブロックを避けて打つ姿がスローモーションで僕の目には止まった。


「す、すげぇ〜」

バレーボールでは低い186センチという身長で世界で戦う人を見て僕もあーなれないか思ってしまった。

明日バレーボール部見に行ってみよう。


次の日になるとすっかりバレーボールの事を忘れていて普通に家を出て学校に着き授業を受けていた。

何故か僕のクラスにバレーボール部の人が四人ほどいる。

昨日のオーストラリア戦みたか??

あ〜見てた!あの5番すげーよなぁ!

ほんとな!186センチでしかもブロックされてなかったぜ?流石「西田」だよな!


西田って言うのか昨日打ってた人は。ますますバレーボールに惹かれて行った。放課後になるとバレーボール部に行ってみようと思ったが勇気が出ない。

今日はやめとこう。と、体育館の扉の前でやめた。

すると…


パシィン!!!!!

すざましい音を立てたスパイクが体育館を奏でたのが分かった。その音を聞いて自分の体が自然と体育館に走って扉を開けた。



「俺、バレーボール部に入りたいです!!!」


当然、皆からは変な目で見られた僕だった。


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