どちらが有利なのかを調べてみた。 ~日本シリーズ&ワールドシリーズ編~


※長い説明が必要ない方は、最後の「●まとめ」まで進んでください。


※掲載している試合結果や計算などは間違えている可能性があります。あらかじめ、ご了承ください。


『野球の試合結果まとめ(日本シリーズとワールドシリーズ)』

https://kakuyomu.jp/works/1177354054886779821


「2000~17年 日本シリーズとワールドシリーズ」

https://kakuyomu.jp/works/1177354054886779821/episodes/1177354054886780458


「~第100回甲子園大会編~」はコチラ(↓)

https://kakuyomu.jp/works/1177354054884198528/episodes/1177354054886605827



●どちらが有利かを検証

 日本シリーズとワールドシリーズの試合結果から、以下の点について調べてみる。


・後攻の方が有利なのか


・先制したチームの方が有利なのか


 対象とするのは2000年以降(2000~17年)の18年分。



●ホームフィールドアドバンテージ(HFA)

 日本シリーズもワールドシリーズも、先に4勝した方が優勝になる。引き分けなどがなければ、最大で7試合。球場は両チームの本拠地を使用。


 球場Aで1・2戦目を行ったら、移動日を1日挟んで、3~5戦目を球場Bで。ここまでで決着がつかなければ、移動日を1日挟んで、6・7戦目を球場Aで行う。

(特殊な日程のシリーズもある)


 球場Aを本拠地としているチームは、シリーズ開幕戦を本拠地で迎える事が出来る上、7戦した場合は本拠地での試合が多くなる。

(これがホームフィールドアドバンテージ)


 なお、ホームチーム(本拠地で試合をする方)が後攻、ビジターチームが先攻。つまり、球場が変わる度に先攻・後攻が入れ替わる。



●後攻が有利?

 2000~17年の18年間で、日本シリーズは105試合、ワールドシリーズは101試合行われた。


・第1戦:36試合(先攻14勝<後攻22勝)

 ・日:18(先8<後10)

 ・W:18(先6<後12)

※HFA有→後攻/HFA無→先攻


・第2戦:36試合(先攻9勝<後攻27勝)

 ・日:18(先5<後13)

 ・W:18(先4<後14)

※HFA有→後攻/HFA無→先攻


・第3戦:36試合(先攻17勝<後攻19勝)

 ・日:18(先7<後11)

 ・W:18(先10>後8)

※HFA有→先攻/HFA無→後攻


・第4戦:36試合(先攻19勝>後攻17勝)

 ・日:18(先8<後10)

 ・W:18(先11>後7)

※HFA有→先攻/HFA無→後攻


・第5戦:30試合(先攻11勝<後攻19勝)

 ・日:16(先7<後9)

 ・W:14(先4<後10)

※HFA有→先攻/HFA無→後攻


・第6戦:20試合(先攻8勝<後攻11勝 ※引き分け1)

 ・日:11(先6>後4 ※引き分け1)

 ・W:9(先2<後7)

※HFA有→後攻/HFA無→先攻


・第7戦:12試合(先攻6勝=後攻6勝)

 ・日:6(先3=後3)

 ・W:6(先3=後3)

※HFA有→後攻/HFA無→先攻



・第1~7戦:206試合(先攻84勝<後攻121勝 ※引き分け1)

 ・日:105(先44<後60 ※引き分け1)

 ・W:101(先40<後61)


・先攻が勝利数で上回ったシリーズ:6回(日:5/W:1)

・後攻が勝利数で上回ったシリーズ:19回(日:9/W:10)

・先攻と後攻の勝利数が並んだシリーズ:11回(日:4/W:7)


※2001年のワールドシリーズと2003年の日本シリーズは後攻7勝

※2010年の日本シリーズ(先攻3勝・後攻3勝・引き分け1)は先攻と後攻の勝利数が並んだものとして扱っている。



 日本シリーズとワールドシリーズの合計勝利数を見ると、先攻が上回ったのは第4戦のみ。第7戦は先攻と後攻の勝利数が並んだ。


 36回のシリーズの内、先攻が勝利数で上回ったのは6回しかなかった。ワールドシリーズでは18回中1回のみである。全体的に、後攻の方が勝利が多い。後攻の方が有利と言えそうだ。


 プロ野球でもメジャーリーグでも、ホームチームが後攻になる。メジャーリーグで顕著なのだが、観客はホームチームのファンが多い。また、レギュラーシーズンの半分は本拠地での試合になるので、本拠地は慣れ親しんだ球場。これらも後攻有利の要因になったと考えられる。



●サヨナラがあるから後攻が有利?

「9回開始時に同点の試合」や「延長戦になった試合」は後攻が有利とされる。後攻にはサヨナラ勝ちがあるからだ。


 このような場面では、先攻は点を取らないと勝てない。もちろん、後攻も点を取らないと勝てないのだが、先攻が点を取らない限り後攻は負けない。仮に先攻が点を取ったとしても、後攻が1点でも上回ったらサヨナラになる。


「9回開始時に同点の試合」あるいは「延長戦になった試合」は、2000~17年の日本シリーズ・ワールドシリーズ合計で32試合あった。


・9回開始時同点で9回裏で終了:8試合(先攻3勝<後攻5勝)

 ・日:5(先1<後4)

 ・W:3(先2>後1)


・9回開始時同点で延長になった:11試合(先攻5勝=後攻5勝 ※引き分け1)

 ・日:8(先3<後4 ※引き分け1)

 ・W:3(先2>後1)


・9回開始時に同点ではなく延長になった:13試合(先攻5勝<後攻8勝)

 ・日:4(先2=後2)

 ・W:9(先3<後6)



 32試合中18試合で後攻がサヨナラ勝ち。後攻が半数以上の試合で勝利した事になる。


 ただし、9回開始時同点で延長になった場合は先攻と後攻の勝利数が拮抗。この場合に関しては、どちらが有利とも言い難い結果だった。



●先制した方が有利?

 先に攻撃をする分、先攻の方が先制しやすい……と思いきや……。意外と、後攻が先制した試合の方が多かった。


・先攻が先制:101試合(日:51/W:50)

 ・勝利数:先攻64勝>後攻36勝 ※引き分け1

  ・日:先35>後15 ※引き分け1

  ・W:先29>後21


・後攻が先制:105試合(日:54/W:51)

 ・勝利数:先攻20勝<後攻85勝

  ・日:先9<後45

  ・W:先11<後40



 先制したのが先攻でも後攻でも、先制した方が勝利数が多くなっている。先制した方が有利と言える。


 特に、後攻が先制した試合は後攻の圧勝。後攻に先制されると、先攻は105試合で20勝のみ。勝率は2割弱だった。


 一方、先攻が先制した101試合で後攻は36勝している。引き分けになった試合を除くと100試合で36勝なので、勝率は3割6分だった。先制された試合でも、後攻はそれなりに勝てている。先制された時でも、後攻の方は多少の余裕があるのだろう。


 5回表に先制点が入ったなら、先攻は「5回攻撃して点を取った」事になる。この時点では、後攻は「4回攻撃して点を取っていない」事になる。


 5回裏に先制点が入ったなら、先攻も後攻も5回ずつ攻撃した事になる。同じだけの攻撃で「先攻は点を取れなかった」「後攻は点を取れた」という差が生まれる。



●まとめ

・日本シリーズでもワールドシリーズでも後攻の方が有利


・先攻でも後攻でも先制した方が有利


・後攻が先制したら勝率はかなり高い



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