各グローブの特徴について
※解説は間違っている可能性があります。あらかじめ、ご了承ください。
※長い説明が必要ない方は、最後の「●まとめ」の部分まで進んでください。
●グローブ(グラブ)とは
ボールを捕るための道具。利き手ではない方(右投げなら左手)に装着する。
指をどこに入れるかは人によって異なり、人差し指を外に出す人も多い。
中指を入れる場所に人差し指を入れて、薬指を入れる場所に中指を入れて、小指を入れる場所に薬指と小指を入れる方法もある。
※ルールブック上は「グラブ」という呼称が用いられる。英語の「glove」の発音は「グルァァヴ」みたいな感じになる。
●グローブに関する用語
・ウェブ(網)
グローブの親指と人差し指の間の部分の事。網のように隙間がある物もあれば、隙間がない物もある。
・ポケット
ボールが納まる窪みの事。ここでボールを捕るのが基本的な捕り方。
・土手
グローブの内側(=手の平側)の手首の少し上の膨らみの事。土手のようになっており、ここにボールが当たると捕球は難しい。
・指カバー
人差し指を入れるために付いているカバー。全てのグローブ・ミットに付いているわけではないが、カバーだけでも売っているので、後付けも出来る。
●グローブの種類
グローブは、大きく分けると「グローブ」と「ミット」の2つがある。
グローブは、人差し指の部分から小指の部分までが独立しており、全部で5本指になっている。
ミットは、人差し指の部分から小指の部分までが独立しておらず、一続きになっている。ミトンのような感じ。
ボールを捕るだけなら大きいグローブの方が有利だが、サイズは制限されている。
実際には、ポジションによって役割が異なるため、役割に応じたサイズ・形状のグローブが使われる。
グローブの種類は、オールラウンド用(高校生以上はあまり使わない)を含めると8つに分けられる。
大きさは「セカンド用<ショート用<サード用<ピッチャー用・オールラウンド用<外野手用<ファーストミット・キャッチャーミット」という感じ。
なお、大きさや色などの問題がなければ、好きなグローブを使える。例えば、セカンドが外野手用のグローブを使用してもルール上は問題ない。
ただし、ミットの使用は制限されており、使用者はキャッチャーとファーストに限定される……と思う。
数年前にルールが変わり、ボールの色と似ているとボールが見えにくくなるため、白系の色のグローブは使用出来なくなった。
(かつては、ピッチャーのグローブだけが制限されていた)
手の1番下の部分(手首のすぐ上)が出るようにグローブを使う選手も多い。
(手を浅く入れる感じ)
以下、各グローブの特徴について。
●ピッチャー用のグローブ
ボールの握りがバレないように、利き手を隠せるくらいの大きさがある。サード用より少し大きいくらい。
また、握りが見えないように、ウェブ(親指と人差し指の間の部分)は隙間がないものが多い。
文字通りに「手の内を隠す」ためにグローブを使う。
握りが特殊な球種だと、握りの一部が見えるだけで球種が読まれてしまう。分かりやすいものだと、フォーク・ナックル・パームなど。
(ナックルやパームは使い手が少ない)
ただし、ピッチャーを「5人目の内野手」と考える選手は、内野手のように小さめのグローブを使う事がある。
(最近、小さめのグローブを使うピッチャーが増えている)
握りがバレやすくなるリスクは高まるが、小さめのグローブの方が打球処理が容易になる。
特殊な例だと、最初はストレートの握りにしておいて、振りかぶる時に握りを変えるピッチャーもいる。
●キャッチャーミット
投球を捕る事に特化した円形のミット。他のグローブと比べると、縁はかなり分厚くなっている。
ポケット(ここで捕るのが基本)で上手く捕球すると、いい音がする。いい音がすると、ピッチャーの気分が盛り上がるとか盛り上がらないとか。
ポケットで捕ると「バシーン!」という感じで、ポケットじゃない所で捕ると「ぽすぬんっ」という感じになる。
ナックル(どっちに曲がるか分からない変化球)を使うピッチャーの時は、ナックル用に特殊なキャッチャーミット(通常とは形が異なる)を使う事もある。
「ファーストミット」「ソフトボール用のキャッチャーミット」「ソフトボール用のファーストミット」などを使う事も。
これらのミットは、野球のキャッチャーミットに比べて、ボールを収められる範囲が広い。
イメージとしては、キャッチャーミットが点で捕るのに対し、ファーストミットなどは面で捕る感じ。
※ソフトボールの方がボールが大きいので、必然的に、ソフトボール用はポケットも大きくなる。
※ソフトボールのキャッチャーは「キャッチャーミット」もしくは「キャッチャー・ファースト兼用ミット(キャーストミット)」を使う。兼用を使う人が多いかもしれない。
キャッチャーには青いミットを使う選手が結構いる。
単純に青が好きな選手もいるだろうし、憧れのキャッチャーが青いミットを使っていたのかもしれない。
その他、ピッチャーの心を落ち着かせる効果を期待して、青いミットを使っているとも考えられる。
……とは言え、青いミットを使ってピッチングの質が良くなるのなら、自チームや相手チームのユニフォームが青い時はピッチングが良くなるはずだが……。
※ユニフォームが青いチームは、キャッチャーの防具も青系になる事が多い。
●ファーストミット
縦長のミットで、送球を捕る事に特化している。
ゴロを捕るのに向いた形ではなく、打球処理を優先する際(※)に、内野手用のグローブを使うケースも稀にある。
※サヨナラのピンチでバックホームを最優先する場面や、相手が確実にバントをする(と思われる)場面など。
近年は、ゴロ処理などにも対応しやすいように、少し小さめのファーストミットが流行っている。
なお、大きさなどの問題がなければ、ファーストがキャッチャーミットを使用する事も可能……のはず。
キャーストミットを使う事も出来るが、野球選手がキャーストミットを使うのは稀である。
ファーストは、左投げが有利とされる珍しいポジション。
そのため、左投げのファーストが多くなり、左投げ用のファーストミットも多く売られている。
※キャッチャーミットや内野手用のグローブは、左投げだと不利とされるポジションという事もあり、左投げ用は滅多に見かけない。
利き腕についてはコチラ(↓)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884198528/episodes/1177354054884543662
●セカンド用のグローブ
最も小ぶりなグローブ。他のグローブより軽めで小回りが利き、グラブトスもしやすい。
小さくてポケット(ボールが納まる場所)が浅く、ボールを取り出しやすい。捕球後に素早く送球動作に移れるようになっている。
また、当て捕り(※)もしやすくなっている。
※打球をグローブで包み込むのではなく、グローブに当てるような捕り方。イメージとしては、グローブでワンバンさせたボールを利き手で掴む感じ。
当て捕りをするには、それなりの技術が要求される。その一方で、ボールを掴むまでの時間を短縮可能なため、修得出来れば素早く送球動作に移れる。
●サード用のグローブ
ショート用より1回り大きく、少し分厚い作りになっている。
サードは「ホットコーナー」とも呼ばれるポジションで、バッターとの距離が近い分、強い打球が飛んで来やすい。
そのような打球に対応出来るように、少し大きく&分厚くなっている。
メジャーリーグでは極端な右寄りor左寄りのシフトが常態化しており、サードの選手がセカンドやショートの位置に立つ事も多くなった。
立ち位置的にはセカンドやショートの守備をする事になるが、グローブを換える事は滅多にないと思う。
普段から小さめのグローブ(ショート用?)を使っているのかもしれない。
ちなみに、どの位置で捕ろうとも、サードが捕ればサードゴロ/フライ/ライナーになる。
●ショート用のグローブ
セカンド用とサード用の中間の大きさで、セカンドやサードでも使える大きさ。
本職がショートの選手がセカンドやサードを守るのは珍しくない。1人の選手が1試合中にセカンド・サード・ショートの複数を守るのも珍しくない。
そのような場合は、ショート用でセカンドやサードに入るかもしれない。
(プロ野球中継を観ていた時に、ショートを守っていた選手がグローブを換えずにサードに移った事があった)
ただし、ショートの選手がセカンド用のグローブを使う事も多い。ゴロを捕ってからの送球を重視するなら、セカンド用の方が向いている。
●外野手用のグローブ
縦に長い(指部分が長い)グローブで、フライを捕るのに向いている。
※フライは上から下に落ちて来るので、縦の動きになる。縦長の方が捕りやすく、グローブに当たったボールが飛び出しにくい。
「ゴロを捕る→ファーストに送球→アウト」というのが内野手(ファースト以外)の守備の基本。
一方、外野手はゴロを捕ってアウトにする機会は少ない。たいてい、ゴロ性の打球が外野まで行くとヒットになる。
ゴロでアウトを取る事が少ない分、外野手はフライ(ライナーを含む)でアウトを取る割合が大きい。
内野手は4人(ピッチャーを含めると5人)なのに対し、外野手は3人。野手1人当たりの守備範囲はかなり広い。
※外野は打球が届くまで時間があるため、3人でも大丈夫。ルール上は、内野手と外野手を外野に集める事も出来る。逆も出来る。
内野手が瞬間的に前後左右に動く(飛び付く)のに対し、外野手は長い距離を移動して打球を捕りに行く事が多い。
守備の際、内野手は中腰になるのが基本。グローブが小さい(短い)ので、腰が高いとゴロが股下を通過してしまう。
一方の外野手は、グローブが大きい(長い)ので、それほど体勢を低くせずにゴロを捕る事が出来る。
これにより、助走をつけてからの送球もしやすい。
(助走があった方が速いボールを投げやすい=遠くに投げやすい)
通常、外野手は送球を受ける機会がなく、送球を受けてから送球するという事もない。基本的に、送球を捕る能力は求められない。
※内野手の場合は「セカンドがショートに送球→ショートがファーストに送球」のような事が多いので、送球を捕れないと困る。
また、外野手はランナーから離れた位置にいるため、よほどの事がない限りはランナーにタッチする事がない。
●オールラウンド用のグローブ
内野手用と外野手用の間の大きさで、1つあればキャッチャーとファースト以外で使えるので経済的。
通常、小学生が使うグローブはオールラウンド用。中学生でも使う事は多いはず。
(高校生以上はポジションに合わせたグローブを使うのが普通)
●両投げ用のグローブ
スイッチピッチャー(両投げピッチャー)用のグローブで、右手でも左手でも使える特殊なグローブ。
(このグローブも含めると、グローブは9種類になる)
スイッチピッチャーは、右バッターの時は右投げ、左バッターの時は左投げになるのが基本。
両投げ用のグローブがあれば、右投げの時と左投げの時でグローブを交換する必要がない。
人間の手は左右非対称なので、その手で使うグローブの形も左右非対称。
しかし、両投げ用は左右対称で、親指部分が両端にある。ウェブ(網)は真ん中に寄っている。
おそらく、店に置いてある事は稀。入手するには注文が必要かも。
●まとめ
・ピッチャー用:利き手を隠せるように大きめ
(ゴロの処理を優先する人は、内野手のように小さめのグローブを使う)
・キャッチャー用:投球を捕るのに特化している
・ファースト用:送球を捕るのに特化している
・内野手(ファーストを除く)用:ゴロを捕った後に送球しやすいように小さめ
・外野手用:フライを捕りやすいように大きめ
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