〈MLB〉
呪いは実在する……?
※解説は間違っている可能性があります。あらかじめ、ご了承ください。
●メジャーリーグの呪い
メジャーリーグには「ワールドチャンピオンになれない呪い」がある……と言われている。
呪いがかかっているチームは、ワールドシリーズ進出を目前にして負けたり、ワールドチャンピオンの座に手がかかっている所から逆転を許してしまう。
そのような場面を見ると、ファンは頭を抱えて「呪いだ……!」と呟くとか呟かないとか。
ここでは、いくつか有名な呪いを紹介。
●バンビーノの呪い
・呪いをもたらした(とされる)人:ベーブ・ルース
・呪いをかけられたチーム:レッドソックス
・呪いの始まり:1920年頃?
・解呪:2004年
「バンビーノ(Bambino=仔鹿・坊や)」はベーブ・ルースの愛称。実は「ベーブ(Babe=赤ちゃん)」も愛称。
1920年、ベーブ・ルースはレッドソックスからヤンキースに移籍。トレードの交渉が始まったのは1919年の終わりで、年明けに移籍した。
当時のレッドソックスは最強チームの1つであり、対するヤンキースは弱小チームだった。
(現在、両チームはメジャーリーグ屈指のライバル関係にある)
この移籍をベーブ・ルース本人は快く思わなかったとかで、自分を弱小チームに追いやったレッドソックスに呪いをかけたとか何とか。
呪いのせいなのか、レッドソックスはワールドチャンピオンになるどころか弱小化し始める。
(主力選手を何人も放出したのが原因の1つ。一方、ベーブ・ルースはヤンキースで大活躍し、ヤンキースは常勝軍団化して行った)
ベーブ・ルースの死後も呪いは続いた。
呪いが解けたのは2004年で、レッドソックスがワールドチャンピオンになったのは、ベーブ・ルースが在籍していた1918年以来86年振りの事だった。
●ブラックソックスの呪い
・呪いをもたらした(とされる)人:アンラッキーエイト?
・呪いをかけられたチーム:ホワイトソックス
・呪いの始まり:1920年頃?
・解呪:2005年
1919年のワールドシリーズにおいて、ホワイトソックスの8選手(アンラッキーエイト)が八百長に関わり、ホワイトソックスは優勝を逃した。この八百長事件は「ブラックソックス事件」と呼ばれている。
ブラックソックス事件の後、ホワイトソックスは長くワールドシリーズ進出が出来なくなる。ワールドシリーズに進んだ年もワールドチャンピオンにはなれなかった。
「ブラックソックス事件のせいでホワイトソックスはワールドチャンピオンになれなくなった」という事で「ブラックソックスの呪い」と言われた。
呪いが解けたのは2005年で、1917年以来88年振りの優勝。バンビーノの呪いに続いて2年連続で呪いが解けた。
●ヤギの呪い(ビリー・ゴートの呪い)
・呪いをもたらした(とされる)人:ビリーさん(ヤギの飼い主)
・呪いをかけられたチーム:カブス
・呪いの始まり:1945年?
・解呪:2016年
ビリーさんはカブスファンで、ヤギのマーフィーと一緒にリグレーフィールド(カブスの本拠地)に行っていた。
(マーフィーの分のチケットも買っていた)
ところが、1945年のワールドシリーズで、カブスの人にマーフィーの入場を断られてしまう。その理由は、ヤギの匂いが臭いとか何とか。
ビリーさんは怒って「カブスはワールドシリーズで勝てない」という事を言って帰ったらしい。
その予言が的中する事となり、カブスはワールドシリーズで負け続けて優勝を逃してしまう。それ以降、2016年までワールドシリーズ進出すら出来なかった。
この呪いに関連する話では、ワールドシリーズ進出を賭けた2003年の試合が有名である。
「あと1勝でワールドシリーズ進出!」という試合の終盤で、カブスはリードした状態だった。
そのような場面で観客席の近くにフライが飛び、カブスの選手が捕球を試みたのだが……。
カブスファンが手を出してしまい、捕球を妨げられる。
(打球を捕れなかった選手は、妨害したファンに激怒。めっちゃ怒ってた。でも、ファンがボールに手を出しちゃうのは仕方ないかも)
これがキッカケとなり、カブスは大量失点を許す。そのまま試合を落とし、次の試合(最終戦)も落とし、ワールドシリーズ進出は叶わなかった。
人々は「ヤギの呪いだ……!」と口にしたとかしなかったとか。ちなみに、この妨害事件が発生したのもリグレーフィールドである。
2015年にもヤギの呪いが注目された。
この年のカブスも、ワールドシリーズ進出を賭けたシリーズに駒を進める。
そのカブスの前に立ちはだかったのは、例のヤギと同じ名前を持つダニエル・マーフィー(当時メッツ)だった。
彼の活躍ぶりは凄まじく、神がかった感じだった。「ヤギがかった」の方が相応しいかもしれない。
(この選手の顔をヤギの体にくっつけた絵を持って応援しているファンもいた)
カブスは彼1人に負かされたようなもので、このシリーズを4連敗。
ちなみに、かの「バック・トゥ・ザ・フューチャー」では、この年にカブスがワールドチャンピオンになっている。
(監督だか脚本家だかが、最も起こりそうにない事として描いたとか)
翌2016年、カブスは圧倒的な強さでシーズン100勝を達成。ヤギの呪いが影を潜めたかのように、カブスはワールドシリーズに進出する。
ワールドシリーズでの対戦相手はインディアンズで、それぞれのリーグで最もワールドチャンピオンから遠ざかっているチームの対戦となった。
(カブスが優勝すれば108年振り、インディアンズが優勝すれば68年振り)
カブスは1勝3敗となり、ファンの頭の中には「今年もヤギの呪いが……」という思いがあっただろうが、そこから盛り返して最終第7戦に突入する。
このワールドシリーズでも、かつての妨害事件の時のように、観客席の近くに打球が飛ぶシーンがあった。
(妨害事件の時はレフト方向の打球だったが、この時はライト方向の打球。妨害される事はなく、ちゃんとアウトを取っている)
第7戦は、雨による中断もあり、4時間を超える長い試合に。延長戦を制してカブスがワールドチャンピオンになる。
この試合は劇的な試合で、ワールドシリーズ史上屈指の激戦と言っても過言ではないだろう。
●インディアンの呪い
・呪いをもたらした(とされる)人:インディアンの先祖
・呪いをかけられたチーム:インディアンズ
・呪いの始まり:1950年頃?
・解呪:?
インディアンズは、インディアンをモチーフにした「ワフー酋長」と言うキャラクターをロゴマークなどに使っていた。
ワールドチャンピオンになった年(1948年)の前の年だか前の前の年だかから使用されており、そういう点では、ワフー酋長がワールドチャンピオンに導いたとも言える。
ところが、ワールドチャンピオンになった次の年だか次の次の年だかにデザインが変更。新デザインになってからはワールドチャンピオンになれずにいる。
「デザインが変わったからワールドチャンピオンになれなくなった」などと言われるようになり、さらには「インディアンの先祖がインディアンズに呪いをかけた」とも言われるようになったとか。
2018年になって、ワフー酋長のマークをユニフォームなどに使わない事が発表された。
(2019年シーズン開始から使われなくなるらしい)
ワフー酋長については、登場直後から「インディアンに対する侮辱だ」として抗議運動が続いていたのだ。
(また、インディアンズというチーム名についても変更を求める声がある。このチーム名は100年以上前から使われている)
先述の通り、クリーブランド・インディアンズは2016年にワールドシリーズに出場している。
この年は、NBAのクリーブランド・キャバリアーズ(通称:キャブス)が優勝した年でもあった。
2016年のワールドシリーズは「NBAとMLBでのクリーブランドの優勝」が懸かっていたのである。
なお、両チームのホームグラウンドは(間に道はあるものの)隣り合う形で建っている。
ワールドシリーズの試合がクリーブランドである日は、この道もファンで埋まっていた。
最終戦では、8回裏にカブスの守護神からホームランを打って同点に追い付く。この時点では、インディアンズの方に流れが来ていたと言える。
しかし、逆転とまでは行かず、9回は互いに点が入らなかったので延長戦へ。
雨で一時中断となるのだが、ここで流れが変わったのかもしれない。中断明けにカブスが2点を追加し、この2点目が決勝点となった。
2017年のインディアンズは、シーズン22連勝を達成。これは、引き分けを挟まない連勝記録としては最長のものとなった。
(現在のルールでは、よほどの事がない限り、引き分けにはならない)
ところが、ワールドシリーズ制覇どころか、ワールドシリーズ進出すら出来ずに終わった。
現在、インディアンズは「ワールドチャンピオンから最も遠ざかっているチーム」である。2018年に優勝すれば、70年振りの事となる。
※2018年は地区シリーズで敗退。ワールドシリーズには進めなかった。
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