第三回 生き急ぐ
僕の嫁はせっかちだ。
行列は嫌い。
保育園の提出物は翌日に出す。
信号を避ける為に抜け道を選ぶ。
飯も早食い。
しかも、せっかちさが良い方に作用しているのか、仕事が早い(しかも出来る)ので、僕よりバンバン出世している。
一方の僕は、マイペース。
のんびり屋というべきか、食事にも一時間かけたりもする。
そんな僕はいつも嫁に
「そんなに生き急いでどうするの?」
と、言っている。
時間にゆとりがあるのなら、急ぐ必要はないのだ。
何をそんな好き好んで焦るのか。全く理解できない。
しかし、ある日嫁に言われてしまった。
「いや、小説を書きたいのか書かなきゃいけないのか、楽しんでいるのか、義務か知らんけど、いそいそと書いて、空いた時間に映画とか読書。そうかと思えば、山に登ったり、釣りしたり。読書も山のような積読もあるやん。全然楽しそうに見えないし、筑前の方が生き急いどうやん」
と。
図星!!
世の中には余暇時間に見合わないほど、楽しい事が多過ぎるのだ。
なお、妻は余暇時間にソファーで横になり、テレビを見ながらキャンディークラッシュしかしていない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます