第222話「2023はプロレスが熱い!の続き」

 そんなわけで、元日は最高の試合を見せてもらっていい年明けを迎えることができた。


 とはいえ、逆にこれ以上の試合は難しいわけで、日程的にも厳しいし(よりによって火曜日というど平日)、あえて武藤の引退試合は見に行かなくてもいいのかなあという気もしてしまった。

 

 武藤の膝をかんがえると、グレートムタでの試合はうまく組み立てられても(ムタは凶器攻撃と毒霧で戦っていくために身体の負担は少ないと考えられる)武藤として試合を作っていくのは難しいのではないだろうか。


 さて、元日の興奮も冷めやらぬ1月4日新日本プロレス東京ドーム大会。(ちなみにさっき話したムタVS中邑はノアという団体で行われた)

 1.4は新日本プロレスの興行の最大の目玉であり、あらゆる大会はこれに向かって構成されてるといっていい。なのでこの大会には新日本が満を持して出す黄金カードがすべて組まれるのである。


 だが、すでに1月1日にはこれ以上のない奇跡的なカードがノアの方で組まれてしまっている。


 一方の新日本の1・4のメインカードはオカダカズチカVSジェイホワイト、確かに好カードであるし、ファンとしては見たいものであるはずだ。が、正直見飽きたたたかいでもあるし、俺なんかはオカダの戦いのパターンはワンパターン化してて見てられないと思っている、その割には試合時間だけがやたら長い。

 さらにジェイホワイトは今までいた外国人トップ選手の中では人気のない部類だと思う、基本的に新日本ファン以外だったら名前も知らないだろう。

 はっきりいって全くワクワクできない試合なのである。

 これはチケット売れるのか……?

 と今見たら26085人だった。大体ドームのキャパシティは50000くらいなので大体半分、最近のプロレス業界としては入ってる方だろうなあ。すごいな新日本、このカードでも客が入るんだな!


 でまあ、俺はというと会場で見たわけではなくTVで見たんだけれども、この大会のセミファイナルで行われた「ケニーオメガVSウィルオスプレイ」これがとんでもない試合だった。

 とはいえ、カクヨムを読む人たちはどっちの選手もよく知らないだろう。

 もちろんどっちも外国人!


 ケニーオメガは、めちゃくちゃ鍛え上げられたボディをしており、とにかくすごいパワーを持った選手で、あらゆる技がパワフルで迫力がある。そしてアメリカでいまWWEの次に大きな団体であるAEWの副社長を務めてる、それがケニーオメガだ。

 もともと新日本プロレスのトップ外国人レスラーだったのだが、2019年に退団してアメリカのAEWに所属した。新日本時代の時はケニーのプロレスはすべて激しい試合であり、名勝負製造機といっても過言ではなかっただろう。

 それが、この度4年ぶりに日本に帰ってきて試合をやるのである。いやがおうにも期待が高まる。


 一方のウィルオスプレイは、とにかく飛ぶ。人間離れした動きをする選手で有名だ。日本で初めて試合した時から注目はされており、なんかその場でジャンプして算回転くらいひねりを加えてから相手を蹴ったり、トップロープからわけのわからないくらい、くるくるして相手に襲いかかるような選手である。

 オスプレイはとにかくくるくるしている。そう覚えてください。

 そしてもともとはジュニアの選手(体重が100kg以下の軽い選手)だったんだけど、最近は増量して技に重みが出てきた。

 これがウィルオスプレイです。


 プロレス知らない人が初めて見てもオスプレイの動きは、おおっ!となる。軽快にしかし攻撃は重い。

 ただ軽やかな動きを見たければ、シルクドソレイユでも見ろという話になるのだが、オスプレイはしっかりとダンサーではなくプロレスラーなのである。   


 この二人が激突した戦いは、過激であり華劇であった。激しい攻防の末に一瞬も飽きさせることなく試合が進んでいた。前述したムタVS真輔とは全く逆のいわば、ムタの方を静のプロレスとするならば、これは動の試合である。

 

 一見すれば動の試合の方がみてて飽きないという風に思うだろうが、そういうことでもない。昨今はハイスパートプロレスリングをさらに進めて、後半にガンガン大技を掛け合って、力尽きるまで耐えるようなプロレスばかりなのだが、案外これは見てる方はつかれるのだ。

 

 試合開始20分くらいから激しい技の応酬をガンガンやりあう。これによって起きることは序盤の展開がだれるということだ。なので大体プロレスの試合の序盤なんていうのは早送りしてもいいやとなってしまう。

 そこにアンチテーゼを加えたのが、ムタVS真輔であったのだが、オメガとオスプレイは違うアプローチでこれに挑んだ。

 そう、序盤からガンガンやりあったのである。

 一切、だれるポイントを作らずにお互いに最後までやりあった。いつどちらが勝つか本当にわからない試合展開で、かなり観客のテンションをあげさせられたのである。

 いったいどういう体力をしているのか、異次元の体力で二人は34分を戦いきったのだった。正直30分を超える試合はだるい、しかし、そのだるさをこの試合は感じさせなかった。

 実際この後の試合のオカダVSジェイも30分超えの試合だったが、これはかなり冗長だった。

 

 昨今の大技応酬の試合って見てて好きではないんだけれども、ここまで激しいものを見せられたらさすがに脱帽せざるを得なかった。とはいえ激しいながらもかつての全日本のように頭から落とす危険な技を連発するものではないので、そこら辺の試合の組み立ても素晴らしいのではないか。


 とまさかのケニーVSオスプレイについて書くだけで2000字を超えてしまった。ノアとの対抗戦を書きたかったはずなのに。

 そんなわけでいったんここで終わります。続きはもちろん、トランキーロ!

 あっせんなよ!

 

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