第200話 「パパはわるものチャンピオン」のいまさらの感想
☆つかも、とうとう200話!
はっきりってもはや俺のただの日記、備忘録、告知版と化してるわけです。
昔ほどのPVもつかない。
それでもツイッターに何かを書くよりは反響があるので続けていくわけで。
さて、先日は、深夜にもかかわらず、文字ラジオ付き合ってくれてありがとう。
とはいえ、もう少し視聴者がほしかった。
正直もう二時間早めるべきかね、今後は。
でもあれは深夜テンションで書くから楽しいのであって、昼間のテンションじゃああもいろんなことを書こうとは思わんのよね。
深夜ゆえに生まれる誤字脱字もエンターテイメントの一つとさせておいてください。
さてその文字ラジオで、今年は何をしようかなってことを言ってたんだが。
決めました。
今年はとにかく「映画を見る」ことにします!
なるべく映画館にも足を運び、暇を見つけてアマゾンプライムをあさる!
そしてカクヨムで映画評を書く!
これをルーティンにするぞ!
そんなわけで、とりあえず、007シリーズとダークナイトとファイトクラブを改めて見たんだけど、うん、どれも面白い。
面白いとわかってる栄華を改めてみても、大した感想なんて生まれないから、それはおいておいて。
今回の注目は
2018年公開 主演棚橋弘至「パパはわるものチャンピオン」です。
正直、主演棚橋弘至(現役の新日本プロレスラー)の時点で、全く期待してなかったし、だから新日本プロレスファンではあるけれど、勿論映画館になんていかなかった。
そして今回たまたま、アマゾンプライムで無料で見ることができるので、そういやこんなんあったなってつもりで見ました。
まさかの。
大当たり!
不安であった棚橋の演技ではあったが、そもそもプロレスラー役をやってるわけで、演技の不安なんてなかった。
そして、プロレスファンが一番心配するプロレスシーンも、結構な時間を割いて、実際のプロレスシーンを本物のプロレスで表現していた。おそらくプロレスファンでない方が見ても十分楽しめる内容と尺の長さでバランスが良い。
何よりよかったのがやっぱり、棚橋役の子供役を務めた「寺田心」
もちろん子役なんで、まあ子役的な演技にならざるを得なく、その辺でどうにもむず痒い気持ちになる観客もいるだろうが、逆に、棚橋がゴリゴリの訳者じゃなかったおかげでちょうどいいバランスの演技になってた。
下手にどっちかが演技派だと、どうしても子役が浮いてしまうのだろうが。
この二人はとてもよかったと思う。
そして、寺田心が本当にいい。
悪役レスラーの子供役という非常に難しい立場を完ぺきにこなしていたし、しかもこの話って実際主人公は棚橋ではなくて、心君の心の成長を描いたストーリなので、心君が下手だと、2時間を見ることなんてとてもできないんだけど、ずっと共感しながら作品に入り込めた。
こころ君はマジでパネェ。
あとは後半のネタバレありのところで書くけど、監督、っていうか脚本かな、彼らがプロレスの本質を分かっていて本当によかった。
要所要所で、もし今後こう言う展開になったら台無しなんだよなあって部分もあって、そうはせずにそこをきっちり分かってる形でまとめていたことが素晴らしい。
これはプロレスファンにしかわからないかもしれないが、おそらくプロレスを知らない監督がとっていたら最後はああいうエンドにはならなかったはず、もしかすると一般映画ファンには納得いかないエンドかもしれないのだが、最後はああじゃなきゃいけない。
まさにプロレスとは哲学であるということを示せた映画だったと思う。
逆にプロレスファン的には納得いかないっていう描写も相当多いのだが、この際それはどうでもいい、映画というパッケージの中でうまくまとめるにはそうせざるを得ないだろう。
例えば棚橋のレスラー名がゴキブリマスクというまあとんでもないものなのだが、この名前でなければテーマが伝わりずらいともいえるので、ここを突っ込むのは野暮であろう。
もし見てない方がいたら、プロレスファンであれば絶対見たほうがいいし、見てない方はあの名画「レスラー」に勝てるとは言わないが、あくまで日本プロレス映画としては負けてない作品なので、おすすめです。
あと今これをお勧めする理由として、木村花自殺事件の件があって、レスラーとはどういうものなのか、これを見ると本当にわかると思う。ぎゃくに花ちゃんはちゃんとヒールを理解してなかったんだろうな。
本当に悔やまれる話である。
実はこれ、プロレスに限定した話でもなくて。
「人に理解されるということ」と「人気がある」ということが本質的には全く違うものであるということをこの作品は表現できてるのである。
多くの見えない孤独におびえてる人に届いてほしい。
さてここからはネタバレありです。
とはいえ、ネタバレしてもこの作品には大して影響ないんですけどね、何せプロレスですから、プロレスっていうのは試合結果がわかってて見ても面白くなきゃいけないわけです。
だから、まあ主人公の悪役レスラーが最後のシーンで勝たないなんて言うのは始まる前からわかってるわけで、逆にあそこで勝ってしまったらそれはもうプロレス映画ではないのです。
映画的な安易な見せ場を作るために監督が主人公を勝たせるんじゃないかと心配してたけど、そこはきっちり負けさせたんで、おぉこの監督わかってるうと俺は留飲を下げました。
あと最後のシーンであえてマスクをかぶってヒールで出ていったのが本当にいいですね。あれも心配してました、10年前のエース大前コウタとして出て言ったら台無しなんです。
何を言いたい映画なんだかわからない。
あれは今はもうヒールとして生きていくんだ、その生きざまを子供に見せるんだという場面。
だからヒールとしての入場シーンが最高にかっこよかったですね。
欲を言えば、会場の問題。
狭すぎる。
せめて後楽園ホールクラスを借りられなかったものか。
あるいは実際の新日本プロレス武道館のゼロ試合とかで、特別試合として観客に協力してもらってもよかったんじゃないかと思うんだけど、いろいろあるんだろうなあまあ。
プロレスは入場も相当大事な要素だからさ、もっと派手でよかった。
で思わず涙したのがやっぱ最後よ。
奥さん役の木村佳乃のセリフにすべてが主役されている。
「ねぇ、もしパパがひきょうな技使ったらどうする?」
「それでも応援する!」
「そうじゃないのよ、もしパパが卑怯な技を使ったら、『ひきょうだぞー』ってブーイングしてあげて」
これよ。
これぞ、プロレスなんだよ。
プロレスに限らないけどね、その役を演じてる人をその役として評価することこそが最大の賛美なんよ。
そして最後のシーン負けたゴキブリマスクは一瞬会場中の握手を受けそうになると、それを感じて凶器をもって、チャンピオンに向かって再び襲い掛かる。
ようは拍手されるのは俺の仕事じゃないって観客にアピールしたってことね。
これを映画でやるのか――って俺は正直びっくりした。
で、棚橋は負けたにもかかわらずチャンピオンに突っかかってなかなか帰ろうとしない。
そしてそれに向かって寺田心君が「さっさと帰れー」っていうわけよ。
完璧でしょ。
完璧、まじで、様式美ここに極めリよ。
一応少しだけ続くんだけど、正直ここで終わってもよかったっと思う。
プロレスファンだからということもあるけど、途中も一切飽きさせることなくストーリーを展開して、演出もめんどくさくなくて。
そして最後のあの一言にすべてが詰まってる。
要は映画自体も非常にプロレス的なつくりなわけ。
「さっさと帰れー」
は本当に満を持して発したプロレス技なんだね。
ということで、かなり色物の映画なんですが。
めちゃくちゃいい映画だったと思います。
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