さやかと初恋
さやかと初恋 Ⅰ
ある晴れた日。さやかは気持ちよさそうに泳ぐ鯉のぼりを見ながらポツリと呟やいた。
「恋がしたいな」
ブルル...と似合わぬ音を立て目の前に車が止まった。扉が開く。さやかはそれに逆らわず、乗り込んだ。
「さやかちゃーん。この間頼んだの、おわってる?」
「…はい。」
表情一つ変えずこたえる。
「…今日2時から、撮影だから。ね」
「…。」
さやかは頰杖をつきながら外を見た。
その姿まで、画になっている。まあ、さやかが、プロのモデルだからかも、しれないが。
「あー、さやかちゃん。」
斜め前に座る、運転手兼マネージャーの男が話しかける。
全くそっちを見ずに相槌を打つ。
「あのさー、この間やめちゃった新田さんいるでしょ?」
「・・・。」
「その代わり…ってことじゃないけど、その…なんて云うの?穴?を埋めるためにさ、新しい人がくるんだって。」
「へえ」
少し興味がわいたのか、さやかは顔を少しそちらに向ける。
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