20220205_祈る

 手と手を合わせて夜空に祈る。疫病がおさまりますように、お給料が上がりますように、小うるさい上司が静かになりますように、明日は電車のドアに挟まれませんように、それから、それから。

 叶えたい願いはいくらでもある。神様とやらが叶えてくれるのは、いかほどか。私の手でどうにかならないことはお願いしたい。疫病とか、小うるさい上司とか。夜空で星がキラリと光った気がした。


 次の日出社しようとしたらホームから人が落ちそうで、慌てて手を引いたら自分が転げ落ちた。助けられて病院に運ばれたら、会社からお見舞い金が出て、小うるさい上司が慰めの電話をくれた。

 昨日祈ったのとは、ちょっと違う気がする。疫病はおさまらない。

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