20201107_服_何を着てても

 十年ぶりに再会した幼馴染は幼稚園の制服であるセーラー服から、高校の制服であるブレザー姿になっていた。

「けいちゃん、変わったなあ」

「いーちゃんも」

 そう笑う彼女にはどこか昔の面影が残っているようで。だからきっと十年経った再開でもすぐにけいちゃんだとわかったんだ。たとえ何を着ていたとしても、すぐにわかる。

「いーちゃんブレザーも似合うね」

「そうか?」

「うん。かっこいいよ」

 そういう君は今も昔も可愛いだなんて、ちょっとハードルが高くて言えないけど。

「けいちゃんのブレザーもいいと思う」

 そんなふんわりした褒め言葉で許してほしい。

「ありがと」

 いつかちゃんと、君に言いたい。何を着てたって可愛いと。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る