20201205_眠る

 寒い寒い冬に向けて、ぼくは忙しく走り回る。どんぐり、はっぱ、松の葉、それからそれから。おうちでは母さんが温かいごはんとお布団を用意して待っている。急いで帰らないと。

 外はシンと冷たくて、自然と急ぎ足になる。空は暗く今はもう冬だと言われても、ぼくは信じてしまいそうだ。だってぼくは本当の冬を知らない。でもまだいいや、寒いもの。

 母さんはまだ秋だと言うけれど、もう眠い。早く帰ろう。帰って母さんのごはんをたんと食べて、ふかふかのお布団で春まで眠ろう。ぼくにはまだ冬は早いみたいだ。大人になったら、頑張って遅くまで起きて、そして冬を知ろう。早く大きくなるためにも、早寝しよう。母さんのごはん、楽しみだな。

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