39 群青~different~
市谷(いちがや)先輩の家は、とにかくでかい。
何百坪あるのかよく分からないだだっ広い敷地に、純和風の大邸宅。20畳以上ありそうなお座敷に面した縁側と手入れの行き届いた大きな和風庭園。その広い庭が、ちょっとしたパーティ会場のように整えられていた。
そびえ立つ和風門の木格子の扉をからからと開けた市谷先輩は、浴衣を着ていた。白っぽい地にかすれた十字みたいな線が入っていて、帯は金色がかった茶色。色素の薄い髪と目、その穏やかそうな見た目にすごく似合っていてかっこいい。
門の前で思わずその姿に見とれていると、さっさと入れ、と市谷先輩が短く言ってくるりと背を向けた。夏基(なつき)と2人で慌ててあとをついて行くと、通された和室に小沢先輩がいた。
小沢先輩は黒にかすれ縞の入った渋い浴衣を着ていた。白っぽいシンプルな柄のない帯がアクセントになってきまっている。小沢先輩の整った顔によく似合った大人びたクールなコーディネートだった。
着慣れていないのは仕方がない。小沢先輩は俺たちによお、と声をかけてきたが、どこか所在なさげだ。座りたいけど、着崩れそうでできないんだ、とこっそり教えてくれた。
和室は応接室らしく、籐の長椅子と1人掛けの椅子が2脚、硝子の板が乗った同じ籐のテーブルの周りに配置されている。俺と夏基は荷物を置いた。
「夏基、着つけてやる。陽佳(あきよし)、お前はあっち」
市谷先輩が隣の部屋を指さした。夏基と離ればなれにされ、俺は渋々部屋を出て、隣の襖を開けた。浴衣姿の男性が2人、挨拶をしてくれた。俺もぺこりと頭を下げ、自己紹介もしないうちに服を脱がされ浴衣を着せられた。下着だけになった俺に、手早く着つけていく。
手際よく2人がかりで着つけられて、俺は隣の部屋に戻った。丁度、市谷先輩が夏基に帯を巻いているところだった。
──ちょっと待てよ、と俺は思う。
あれやこれやという間に下着姿にされた俺が戸惑っている間に手早く着つけられてしまったが、夏基も同じように脱がされたということになる。俺はひやりとした。多分、その考えが読まれてしまったのだろう。市谷先輩が呆れた目を向けた。
「肝冷やすくらいなら、変な痕つけるな」
「うっ」
俺が胸を押さえてひるむと、小沢先輩が爆笑した。
「ほら、完成」
夏基の背中を叩いて、市谷先輩が言った。夏基が着せられた浴衣は、少しかすれた濃紺。帯も、少しトーンの明るい紺色だった。シンプルで夏基によく似合う。
「なっちゃん……かわいい」
子供の頃は浴衣姿も見ていたが、中学に入ったくらいから、わざわざ着ることもなくなった。久しぶりに見た夏基の浴衣姿は、子供の頃とは違って色気まで兼ね備えている。思わずぎゅうと抱き締めると、市谷先輩にべりっと剥がされた。
「ええい、着崩れる」
「ううう」
俺は目の前の浴衣姿の夏基に手を伸ばしたままうずうずする。
「──陽佳」
夏基は、俺の姿を見つめて、言った。
「それは、何柄だ?」
俺が着ているのは真っ黒な浴衣だ。帯は光沢のあるシルバー。そして、浴衣の柄はなんと──
「レオパード」
市谷先輩が答えた。
「──つまり、ヒョウ柄か?」
夏基が首を傾げる。
そう、ヒョウ柄、である。俺の浴衣は真っ黒の地に、少しだけ光沢のある黒でヒョウ柄が描かれていた。3人の先輩は昔ながらの渋い素材と色柄なのに、俺だけ何だか浮いている。
ていうか、俺、イロモノですか?
黒地に黒の柄なので派手ではない。派手ではない、が、明らかに毛色が違う。
「……似合うな」
夏基がぽつりとつぶやいた。
「意外だ」
「ワイルドでパーツもでかい二枚目だし、このガタイだからな。ハマると思ったんだ。これは着る人間を選ぶぞ」
市谷先輩が満足そうにうなずく。
「小沢に着せると胡散臭いホスト風になるだろうな」
「ああ、無駄に気障な二枚目だから」
納得するように夏基もうなずく。小沢先輩がすねたようにむっとした。
「こういう端正な顔は、シックに決めた方が映える」
市谷先輩が小沢先輩の頬を軽く2度叩くと、ふっと笑った。
「おお、市谷に褒められた」
「俺は常々、お前の顔は整っていると思っている」
さすがに、小沢先輩が照れた。頬を赤くしてそっぽを向く。市谷先輩がにやりと笑う。どうやら、小沢先輩が予想通りの反応をしたのが嬉しいらしい。──本当に食えない人だ。
「で、何すればいいんですか、俺たち」
「パーティに出てくれればそれでいい」
「パーティ?」
「毎年、取引先やお得意様を集めて庭で夕涼みを兼ねてホームパーティをするんだ。お前らは、うちの商品を着て参加してくれるだけでいい。充分な広告になる」
「ああ、そういう……」
俺と小沢先輩は顔を見合わせ、ほっとした。課題の代償が一体どんなものなのか不安で仕方なかったが、このくらいのことならいくらでも協力できる。
「いちいちモデル雇うのも大げさだからな。ホームパーティって体だし。一応うちの若い社員にも着せてるが、お前らくらい見栄えのいいやつらはそうそういないだろう。──ああ、適当に庭を歩き回って、飲み食いしてればそれでいい」
「おお、楽な仕事だな」
「これで親父に貸しを作れる」
市谷先輩が悪魔のような笑みを浮かべたのは、見なかったことにした。
ホームパーティと言うには少し賑やかで豪勢なその催しは、広い和風庭園に集まった人たちがところどころで談笑して盛り上がっている。庭園に置かれた緋毛氈の敷かれた台座に浴衣姿の人がちらほらと腰掛けていた。庭の灯篭に灯されたロウソクの明かりは幻想的にゆらめき、俺は時々、ぼんやりとそれを眺めた。
市谷先輩のご両親に挨拶されたり、招待客に浴衣を褒められたり、女性客に声をかけられ一緒に写真に写ったりと忙しかったけれど、その波もようやく落ち着いた。市谷先輩は大人と話し込み、小沢先輩は女性客に囲まれている。広いお座敷には沢山の料理が並んでいて、酒盛りが始まっている。
飲み物をもらって縁側に腰掛けていたら、隣に夏基が座った。
「疲れた」
夏基はそうつぶやいて、手にしていたグラスのジュースを飲んだ。しゅわしゅわと泡立つそれは、夏基が好みそうなレモンかグレープフルーツらしく、薄く濁っていた。
「大丈夫?」
「ん」
どこかぼんやりと、ゆらゆら揺れているなあと思ったら、俺の肩ににこつんとぶつかった。
「眠い」
「なっちゃん、本当に体力ないねえ」
「ん」
パーティが始まる前、市谷先輩も言っていたが、結局和装が一番似合っているのは夏基だ。多分切れ長の目とさらりとした黒髪が和風の雰囲気なんだろう。招待客も夏基に声をかけてはその姿を褒めていた。
「着慣れないから、ますます疲れる」
「そうだねー、浴衣なんて、小学生以来だし」
「あの頃のお前は小っちゃくてかわいかった」
小学校5年生まで、俺はクラスでも小さい方だった。整列するといつも前から数えた方が早く、夏基がとても大きく見えていたものだ。今や夏基を15センチも追い越し、あの頃の面影は少しも残っていない。
「かわいくないのは駄目?」
「──今も、でっかくてかわいい」
夏基がくすくすと笑う。
「どっちも好きだ」
疲れているからか、この幻想的な庭の美しさに魅せられているのか、やけにふわふわとした雰囲気の夏基が、とろんとした目をして俺を見上げる。
そうでなくても久しぶりの浴衣姿、色気は普段の比にならないくらい増している。しかも浴衣って、なんでこう、隙間から手を突っ込んでくださいと言わんばかりの作りなんだろう。
俺はあわあわしながら理性と戦う。俺に寄りかかる夏基を見下ろしたまま目を離せない。
頑張れ、俺の理性。
こういう時のために般若心経でも覚えておくべきかもしれない。
煩悩退散。
俺はなるべくさりげなくそおっと夏基の身体を押しやった。それに気付いた夏基が、不機嫌そうに俺をにらむ。
「──陽佳」
「だ、だって、なっちゃん、浴衣の破壊力ハンパないよ?!」
思わず声を上げると、夏基がぽかんとして俺を見た。招待客も、何人か驚いたようにこちらを見た。俺は慌てて、すみませんすみません、何でもないです、と周りに謝った。市谷先輩が冷ややかなまなざしを向けていたのは、気付かないフリをした。
「破壊力」
夏基がきょとんとしたままつぶやく。
「色っぽすぎるんだもん、なっちゃん」
「──そうか。……買い取ろうかな」
「え?」
夏基は自分を見下ろしている。
「浴衣の俺、襲いたくないか?」
ぶわっと、俺は真っ赤になった。
「ななななななっちゃん?」
「俺は──脱がせたい」
俺の袖をそっとつまんで、夏基が言った。
ぼ、煩悩退散……。
──いや、無理。
俺の袖をちょこんとつまんだ夏基が、熱っぽい目をして俺を見ている。そんな姿に、どうやって抗えっていうんですか、神様。
けれどここは市谷先輩の自宅で、人がいっぱいのホームパーティの最中である。時々市谷先輩からの、余計な面倒起こすなよ、とでも言いたげなびしばしと感じる冷たさを含んだ鋭い視線をかわすのにも必死だ。
「な、なっちゃん」
「ん……?」
小首を傾げた夏基が、ふわりと笑った。
──かわいい。
俺の理性のメーターは、今にも振り切れそうだ。下駄をはいた足元をぶらぶらさせる夏基は、いつもより何だか子供っぽく見えた。それがさらにかわいらしさを増している。
余計なことはするな雰囲気にのまれるな流されるな常識を考えろこの馬鹿が、と句読点もない言葉が俺の背中に突き刺さる。その念を飛ばしているのはもちろん市谷先輩で、そろりと振り向くと、目を据わらせて俺をにらんでいる。
「──陽佳」
夏基が俺を呼ぶ。細めた目の周りが薄く赤くなっていた。
あああああ、無駄にフェロモン出してるよ、夏基。
俺は思わず抱き締めてしまいそうになる両手を万歳するように持ち上げていた。この手を下ろしたら、我慢できない。絶対に手を出す。そして、俺は市谷先輩に殺される。
「──あきよし」
さっきより舌足らずな口調で、つぶやいた。そして、こてん、と俺の胸の中に倒れてくる。
「なっちゃん?」
うひゃあ、と思ったのも束の間、様子がおかしい。覗き込むと、夏基は、眠っていた。
「──え?」
とりあえず、俺は夏基が手にしているグラスを取り上げた。中身は残り少なく、こぼすことは免れた。縁側にそれを置こうとして、俺は気付く。そのグラスを鼻先に近付け、それからぺろりと舐めてみた。
──お酒だ。
俺は振り返る。用意された沢山の料理、飲み物。俺がもらったのはウーロン茶。そのウーロン茶と、オレンジジュースらしいソフトドリンクがピッチャーに入って置かれていた。多分、それ以外はみんな、アルコールなのだろう。
つまり、夏基が飲んでいたのはお酒で──
俺は慌てて下駄を脱ぎ捨て、夏基を抱きかかえて部屋に飛び込んだ。市谷先輩がぎょっとして急いでこちらにやってくる。事情を説明したら、呆れたように溜め息をつき、とりあえずさっきの部屋に運べ、と言った。
俺は夏基をお姫様抱っこの状態で運んだ。
部屋に戻って籐の長椅子に寝かせると、夏基は何だかやけに楽しそうな顔をして眠っていた。普段は不愛想なことの多い夏基だが、どうやらお酒が入るとこんな風になるらしい。
俺は椅子の傍らに座り込み、夏基の頭を撫でてみた。さらに、夏基が笑顔になった。
「なっちゃん、かわいい」
思わずにへらと笑ってしまう。
「人の家で盛るなよ」
背後から鋭い声が飛んできて、俺はひゃあと飛び上がる。振り返ると、市谷先輩と小沢先輩がいた。
「さ、盛りません」
「餌の前でずっとお預けくってだらだらよだれ垂らしてる犬みたいな顔してたぞ」
市谷先輩がペットボトルの水を差しだした。俺はそれを受け取る。よく冷えていたので、夏基の額にそっと当ててみた。
「酒に弱い性質か、夏基」
「涼しい顔して底なしに飲みそうなのにな」
小沢先輩も長椅子の背もたれ側から夏基の顔を覗き込む。
「なっちゃんにお酒は危険です、先輩」
「はあ?」
俺は力説した。
「なっちゃん、超絶にかわいくなります。ふわふわで、ふにゃふにゃで、とろんてして、めちゃくちゃエロくなります。小悪魔です」
「──いっぺん、死ぬか、陽佳」
「い、嫌ですぅ」
小沢先輩が俺たちのやり取りをおかしそうに笑って聞いている。
「客間に布団を頼んどいたから、浴衣脱がせて寝かそう」
「ぬ、脱がせ──」
「下心満載だな、お前」
俺は慌てて両手で頬を押さえる。今、俺、どんな顔してた?
「パーティはそろそろお開きだ。あとは大人が酒盛りだからな。──さて、俺たちも着替えてもう一仕事だな」
「もう一仕事?」
俺と小沢先輩がきょとんと首を傾げると、市谷先輩はにやりと笑って言った。
「課題、終わらせるんだろ?」
「え、今から……?」
「安心しろ。きっちり、全部、終わるまで付き合ってやる」
俺と小沢先輩は、声にならない叫び声を上げ、逃げ出そうと背を向けたところを浴衣の襟元を引っ張られて捕獲された。
6畳の続き間の客間にテーブルと布団が4組。ひと組の布団には寝巻がわりの浴衣に着せ替えられた夏基が──もちろん、着替えさせたのは市谷先輩である──すやすやと眠っていた。その横で、俺と小沢先輩は、市谷先輩のスパルタな指導の下、朝まで課題を続けた。
最後の方は、俺も半泣きでそれを片付けた。
確かに、だらだらと後回しにして夏休みが終わる頃に必死で取り組むよりも、さっさと終わらせてしまった方が気が楽だとは思う。しかも、分からないところは完璧に教えてくれる秀才の先輩がいる。
俺と小沢先輩は眠気と恐怖に耐えながら、夜が明けてスズメの鳴き声が聞こえる頃、ようやく解放された。敷いてあった布団に這ってたどり着くと、俺たちはそのまま気絶するように眠りに落ちたのだった。
さわやかに目覚めたのは夏基と市谷先輩で、俺と小沢先輩はぼろぼろの状態で叩き起こされた。朝というには遅く、昼というには早い時間だが、朝方までテーブルにかじりついていた俺たちはあまり眠っていない。もちろん、市谷先輩も同じくらいの睡眠時間だと思うのだが、なぜか晴れやかである。
「それで、できたのか、課題」
用意してもらったブランチを食べながら、夏基が問う。
「もうちょっと……」
俺はぐったりと疲れ切って、うなだれるようにしてご飯を食べていた。
「食事が終わったら、続きをするぞ」
市谷先輩の言葉に、俺と小沢先輩はひええと怯えた。
「も、もう少し寝たいなー、なんて」
「──小沢」
「は、はい?」
「昨日はとっても助かった。父も感謝していた。──お前の社交性のおかげで、招待客が──特に女性客が満足して帰って行ったと言っていた」
「そ、そう?」
「俺も父に恩を売れたし、お前の功績はとても素晴らしいと感に堪えない」
「そ、それは、よかった」
「だからな」
市谷先輩が笑う。とても優し気に。
「お前の力になりたいんだよ。補講までに課題を終えておけば、何かと楽だろう?」
小沢先輩が頬を引きつらせ、言葉を失っている。
「ああ、陽佳、お前は夏基に預ける。今日はマンツーマンだ」
俺は、心の中で万歳三唱した。夏基は勉強に関してはそこそこ厳しいが、市谷先輩から比べたら天と地ほどの差がある。
「頑張ります」
思わず弾んだ声で答えると、小沢先輩が裏切者、とつぶやいたのが聞こえた。
食事のあと、再びテーブルを囲んで昨日の続きを始めた。聞くと、夏基も市谷先輩も夏休みに入って数日ですべての課題を片付けてしまったらしい。時々この2人は人間じゃないんじゃないかと疑う。
俺は夏基に教わって、夕方近くに残っていた課題を終わらせた。
小沢先輩と2人でへろへろになって畳の上で大の字になっていると、テーブルでお茶を飲みながら、夏基と市谷先輩が話をしているのが聞こえた。
「──あの浴衣か? あれは、今回のバイト代がわりに初めからくれてやるつもりだったが」
「いいのか?」
「ああ。どうせうちの品だ」
「着付けは教えてもらえるか?」
「ああ、いいぞ。女と違って簡単だ」
俺は、昨日夏基が酔って言っていたことを思い出した。
──浴衣の俺、襲いたくないか?
酔って口走ったことなど忘れているだろうな、と考えていたら、夏基と目が合った。
「陽佳、浴衣で花火に行こう」
「うん」
「夏祭りもな」
「うん、分かった」
「恋人っぽいなー」
小沢先輩が身体を起こし、微笑ましそうに言った。
「お前にもやるから、着ろ」
「着付けできねーし」
「俺がしてやる」
市谷先輩がお茶菓子の豆大福をかじりながら言う。自分の分はさっさと食べ終えて、今かじっているのは小沢先輩の分である。
「俺が浴衣着たら、またモテちゃうけど?」
「それがお前のアイデンティティーだろ」
「どんなアイデンティティーだ、俺は」
2人が言い合っているのを横目に、夏基が俺の傍にやってきた。俺は起き上がり、夏基が渡してくれたグラスを受け取る。冷たい緑茶を一口飲む。
「着付け、覚えたら、お前のもしてやる」
「うん。──あ、でも、俺の浴衣、ヒョウ柄だー」
「いいじゃないか、似合う」
ヒョウ柄なんてチャラチャラしていて不満だったが、夏基がそう言うのなら、まあいいか、と俺は思った。
「かっこよかったぞ。──それに、色気がある」
「それはなっちゃんでしょ」
「いや」
夏基はまだ何か言い合っている2人の先輩をちらりと見て、こちらに意識が向いていないことを確認した。
「浴衣のお前を──」
夏基が声を潜め、耳元でつぶやいた。
「今度、襲わせろ」
うわ。
俺は思わず身を引いて、その反動で積み重ねてあった課題の山を倒してしまった。その音に先輩2人がこちらを向く。
夏基はにやりと笑い、俺は真っ赤になってわたわたと焦って、崩れた山を直そうとして、再び課題の山を雪崩れさせてしまったのだった。
了
男の子が、同じ屋根の下でうんうんうなって課題を片付ける……何か、いいな。萌えるな。
お菓子作って差し入れして、襖の陰からそっと覗いていたい……(/ω\)
お酒は20歳になってから。
守ってね。
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