第25話 『女王非公式会談 ~焼肉とタバコと魔法少女と。2~』
ごめんよ、またこのシリーズだよ! もうしばらく付き合ってね!
……と、謝ってから先へ進みます。
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そんなわけで、前作『焼肉とタバコと魔法少女と。』の続きと言いますか、オマケ的な内容の短編になります。短編というか、ほぼSSってやつですね。にしては文字量が多すぎるのですが。
元々前作に登場させる予定だったものの、参加した自主企画コンテストの文字数制限のためにばっさり切り落としたマリア・ガーネットの出番を膨らませたという、それだけの内容になります。キャラクター同士が喋ってるだけの内容ですので、ストーリーはほぼ無いです。
元々、「このシリーズの主要人物をキリサキキッカはこのように見ている」の確認がやりたかったのが前作の執筆動機でもありましたので、どうしてもキリサキキッカ視点のマリア・ガーネット像(「ヤクザ団体の頭をやるにはお人好し過ぎて危なっかしいし、多分自分の方が強いのになんでか勝てる気がしない。趣味は変だけどいい人で自分にきっかけをくれた人だからまあ仲良くはしておきたい」等)も書いて固めておきたかったんですよ、今後の展開のために。
時系列的には『バースデイプレゼント……』のちょっと後ということになりますね。
建国一周年パーティーではマルガリタ・アメジストは二次会的なパーティーから参加することになっていましたが、本作でもおそらくそうなっています。
件の自伝はやっぱり上手く書き上げられず、前作のあとがき通りの経過をたどって出版される運びとなります。
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以下は、私がこのシリーズを書くにあたって意識している主要キャラクター像などについてです。
あんまり作者が自キャラの解釈についてとうとうと語ってるの読みたく無い、そういうの萎える……というタイプの方は飛ばすか引き返すかされるのをお勧めします。スペースをちょっと空けておきますね。※なおそんなことを今から語ろうとしている私自身がそういうタイプです。
幼少期に突然やってきた悪意ある何かによって家族や親しい人々を殺されて辛酸を舐め尽くす経験を経て生き延びた──という、キリサキキッカとマリア・ガーネットの生い立ちがほぼ被ってることに気がついたのは『天国』連載中です。
自分には過去に使ったシチュエーションを無意識で使いまわしてしまう癖があり、この件でも書いてしまってから気づいて「ヤベエ! やっちまった!」と焦る始末。でも、似たような経験をしてるからこそ相通じるもの、逆に全くわからないもの等による面白みも生じるであろう……とプラスに捉えてそのまま決行したのが二人の関係になります。
似たような経験をしてきたものの、生き延び方の選択やその後の出会いの関係で二人の世界観の捉え方が各々大きく異なっております。
いわゆる認知の歪みが激しいのがマリア・ガーネットの方で、この人は目の前の事象を原寸大に捉えることが非常に難しい人だったりします。それが弱点でもあるのですが場合によってはかなりの強みでもあります。本質的にこの人が一番「魔法少女」に近い人なんです。キリサキキッカがユスティナに似ていて怖いというのはこの辺に由来するということになっています。
キリサキキッカは逆にあることを除く大体の事象を原寸大のほぼありのままに見てしまう人であり、認知の歪みに惑わされにくいという強みがあるけれど大きなビジョンが描けないという弱点も抱えています。
物事を原寸大のほぼありのままに見てしまうのはマルガリタ・アメジストも同じで(なのでマリア・ガーネットはキリサキキッカとマルガリタ・アメジストを同類のように見なしているし、似た者同士のキリサキキッカとお互いのことを「利害は一致するし悪いやつじゃないし気が合わないわけでもないけど、こんな変なやつと同類だと思われるのはなんとなくヤだ」と近親憎悪的に感じ合う仲ということになってます)、本人の性格的なものなのか本能なのか自分に全く無いものを持っているマリア・ガーネットに惹かれ、同様にマリア・ガーネットも歪みがちな自分の視界を矯正するためにマルガリタ・アメジストを求めている──ということになっています。こういうことは読んだ方に察してもらうべきで作者が語っちゃ台無しですね、すみません。
なお、キリサキキッカの性格のモデルになっているのが浦沢義雄脚本の番組を見た時に感じる「あっけにとられる」「開いた口が塞がらない」感覚だというのを急に思い出したのでここに付け足しておきます。
浦沢作品(といって良いのか)、好きなんですよ……。かなり影響を受けてるクリエイターのお一人です。
浦沢作品はよくカオスと評されますが、カオスなのではなく「身も蓋もない、ただひたすらに現実がある」が正解だと思うのですよ。表面上は無生物が喋ったり芋羊羹で怪人が巨大化したりしますが、奥底に流れてる法則はどうしようもなく血も涙もないシビアな現実だったりするクールさに心奪われがちです。
キリサキキッカもなんだか素っ頓狂な言動をする妙な子と見せかけて実は誰よりも的確に現実を把握している子である……という風に描きたいのですが、いかんせん作者の力量がアレなので狙った通りに書けてるかどうかは謎です。
あとやっぱりそういうことは自らバラしちゃダメだろって話ですね。すみません。
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今回、マルガリタ・アメジストはかなり酒に弱いという設定が追加されました。
この子は下手するとかなりの強キャラになってしまうし作中のパワーバランスを崩しかねない。何かウィークポイントを付け足したい……とつねづね考えていた所、本シリーズで登場する「魔法少女はニコチン・アルコールダメ絶対」のアルコールに言及される機会がゼロだったこともあって、じゃあ酒に極端に弱いってことにしようと安易に考えた結果ああなった次第です。
過去の職業柄、酒に全く触れてこなかったのは考えにくいのですが、まあきっと口に入れる機会は殆どなかったんでしょうね……。酒を注いでも飲んではならぬと言い含められていたのかもしれません。
とはいえなんの前触れもなく急遽出てきた設定ですので、「こんなだらしないマルガリタ・アメジストは見とうなかった……」とがっかりされた方が万が一いらっしゃいましたなら一言謝らせていただきます。ごめんなさい。
ちなみに、普段飲まないけれどマリア・ガーネットはかなりのザル、アサクラサクラはポリシー上絶対飲まないのもあるけれど体質的に完全な下戸、キリサキキッカも女王姿の時以外は飲まないようにしているけれど嫌いではなく味の良し悪しもわかる方で自国内で酒造業を起こそうと考えているということになっています。なんとなく日本酒党なイメージですね。辛口の酒を好みそうです(自キャラが酒が飲めるか飲めないか、酔ったらどうなるかをつい考えてしまうオタク女あるある……)(←あるあるか?)。
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メラニー(シスター・ラファエル)がキリサキキッカのマナーの先生をしている、というのは本作を書いていて浮かんだ閃きです。
キリサキキッカがああいう子なので行儀作法の先生は当然いるだろう、じゃあこの人を再利用しとこう……という単純な発想によります。
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そんなわけで、今後の展開の為に……という言い訳が必要になってくる自キャラでSSを書くというわりと恥ずかしいことをやらかしてしまった一作でした。
とりあえずひと段落したので、気晴らしを挟みつつ連載作の続きを書いてゆこうと思います。
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